長野県飯山市の中心部、北陸新幹線・飯山駅からほど近い場所に、旅人と地元の人々が自然に交わる小さな広場があります。本町ぶらり広場は、歴史ある本町通りを散策する玄関口として、飯山の魅力を五感で感じられる起点となっています。
江戸の面影を今に伝える本町通りの歴史
飯山市の本町通りは、江戸時代から続く宿場・商家の町並みが現代まで息づくエリアです。飯山藩の城下町として発展したこの地は、千曲川沿いの交通の要衝として栄え、北国街道の支道にあたる松代街道沿いに商人や職人が集まりました。寺院が多いことから「寺の町」とも称される飯山は、仏壇・仏具の産地としても全国に知られており、本町通り周辺にはその歴史を物語る老舗や蔵が今も残っています。
本町ぶらり広場は、そうした歴史の堆積の中に生まれた公共のオープンスペースです。「ぶらり」という言葉が体現するように、観光地にありがちな張り詰めた雰囲気はなく、商店主が軒先で立ち話をし、子どもたちが駆け回る飯山の日常がそのまま広がっています。まちの歴史に少し触れながら、肩の力を抜いて過ごせる場所として、地域住民にも旅行者にも親しまれています。
雪国が育んだ建築と暮らし
飯山市は日本有数の豪雪地帯として知られ、その厳しい自然環境が独特の建築文化を生み出してきました。本町通りを歩くとひときわ目を引くのが、「雁木(がんぎ)」と呼ばれる屋根付きの歩道です。隣り合う建物の軒を連続的に延ばして通路を覆うこの構造は、豪雪時でも傘なしで軒下を歩き続けられるよう工夫された雪国ならではの知恵です。現在も本町通りには雁木が一部残っており、かつての商家町の姿を想像しながら歩くことができます。
広場の周辺には、飯山の伝統工芸である飯山仏壇を扱う工房や展示施設も点在しています。飯山仏壇は、漆塗り・蒔絵・金具細工など複数の職人が分業で仕上げる精緻な工芸品で、国の伝統的工芸品にも指定されています。旅の合間に職人の技に触れることができるのも、この界隈ならではの楽しみです。
四季折々の表情を楽しむ
本町ぶらり広場と本町通りは、訪れる季節によってまったく異なる顔を見せてくれます。
冬は飯山最大の見どころのひとつです。例年12月から3月にかけて積もる雪は、町並みを白く包み、雁木の軒からつらら が下がる光景は絵葉書のような美しさがあります。近隣には国内屈指のゲレンデが集まる「斑尾高原」「戸狩温泉スキー場」などがあり、スキーやスノーボードを楽しんだ後に本町通りへ立ち寄るルートも人気です。毎年2月に開催される「飯山雪まつり」では、街中に雪像やかまくらが並び、幻想的な雰囲気に包まれます。
春は、千曲川沿いに広がる菜の花畑が圧巻です。飯山市は「菜の花の里」としても知られており、4月下旬から5月上旬にかけて一面の黄色い花畑が広がります。本町ぶらり広場を起点に千曲川河川敷へ向かうと、遠くに残雪の山々を背景にした菜の花の景色が楽しめます。
夏は涼しい高原気候が心地よく、緑豊かな景色の中でのんびりと散策を楽しむことができます。秋は紅葉の季節で、周辺の山々や寺院の境内が赤や黄に染まり、本町通りの古い町並みとの対比が格別の趣を醸し出します。
周辺の見どころと合わせて歩く
本町ぶらり広場を拠点にすると、飯山市内の主要な観光スポットへ徒歩やレンタサイクルで気軽にアクセスできます。広場から少し歩けば、飯山城址公園があります。飯山城は戦国時代に上杉謙信が整備した山城で、現在は本丸跡が公園として整備され、千曲川と北アルプスを望む眺望が楽しめます。
また、飯山市は「寺の町」の異名を持つだけあり、本町通り周辺には十数ヶ所もの寺院が集まっています。なかでも正受庵は、江戸時代の禅僧・道鏡慧端(どうきょうえたん)が修行した地として知られ、静かな境内には凛とした空気が漂います。寺院を巡りながら古い町並みを歩く「寺めぐり」は、飯山を訪れる際にぜひ体験してほしいコースです。
アクセスと立ち寄りのヒント
本町ぶらり広場へのアクセスは非常に便利です。北陸新幹線の飯山駅から徒歩約10分で本町通りエリアに到着します。駅前には観光案内所も整備されており、地図やパンフレットを入手してから散策に出るのがおすすめです。レンタサイクルも駅近くで借りることができ、千曲川沿いの菜の花畑や周辺の寺院をまとめて回るのに重宝します。
車でのアクセスは、上信越自動車道・豊田飯山インターチェンジから約15分です。市内には無料・有料の駐車場が点在しています。
広場周辺には地元の食材を使った食事処や喫茶店も並んでいます。飯山市は野沢菜漬けの産地としても有名で、地元の漬物や山菜料理をランチに楽しむのもこの土地ならではの体験です。散策の途中にひと息つける場所が自然と見つかるのも、本町ぶらり広場エリアの魅力のひとつといえるでしょう。
交通
飯山駅から徒歩圏内
營業時間
預算