港町・函館を代表するランドマーク、赤レンガ倉庫群。明治時代から函館の繁栄を見守ってきた歴史建築は、今も多くの旅人を魅了し続ける特別な場所です。レトロな煉瓦の壁と函館湾の水面が織りなす景色は、北海道随一のロマンチックな風景として知られています。
港町・函館を支えた明治の遺産
函館は江戸末期の1854年、日米和親条約によって開港した日本最初の国際貿易港のひとつです。港を通じて外国の文化・商品・人々が流入し、函館は北海道の玄関口として急速に発展していきました。その繁栄の象徴として建てられたのが、金森赤レンガ倉庫群です。
現在の建物群は1909年(明治42年)前後に竣工したものが中心で、当時の函館の貿易商・渡邉熊四郎が手がけた倉庫が起源とされています。倉庫はもともと輸入雑貨や海産物の保管・流通拠点として機能しており、函館経済を根底から支える重要なインフラでした。鉄骨と煉瓦を組み合わせた堅牢な構造は、幾度の大火や震災を経てもその姿を保ち、1世紀以上にわたって港の歴史を刻み続けています。
1988年(昭和63年)には商業施設として再整備され、今日の「金森赤レンガ倉庫」として生まれ変わりました。歴史的建造物を保存しながら現代の観光・商業拠点として活用するこの取り組みは、当時の日本では先進的な試みとして高く評価されました。
見どころ:複合施設として楽しむ赤レンガ
現在の金森赤レンガ倉庫は、複数の棟で構成される複合商業施設です。「BAYはこだて」「金森洋物館」「函館ヒストリープラザ」などのエリアに分かれており、ショッピング、グルメ、イベントと幅広いコンテンツが揃っています。
ショップエリアでは、北海道・函館ならではのオリジナル雑貨やスイーツ、地元の特産品を扱う店舗が軒を連ねています。地元のクラフトビールや海産物を使った加工品など、旅のお土産を探すには絶好の場所です。レストランフロアでは、函館の新鮮な海の幸を使った料理や、港の景色を眺めながら楽しめるカフェが充実しており、観光の合間に一息つくのにも最適です。
建物の内部は煉瓦の壁や木の梁がそのまま活かされており、歴史的な雰囲気の中で買い物や食事ができるのが最大の魅力。リノベーションの巧みさを感じさせる空間設計は、建物ファンにも見応えがあります。また、倉庫前の広場は函館湾に面した開放的なスペースになっており、波の音を聞きながらのんびり過ごすこともできます。
夜の絶景:イルミネーションと港の灯り
赤レンガ倉庫の魅力は、日が暮れてからさらに増します。建物全体がライトアップされると、煉瓦の赤みがより鮮やかに浮かび上がり、函館湾の水面に揺れる光との調和が美しい夜景を生み出します。
特に人気が高いのが、毎年秋から冬にかけて開催される「はこだてクリスマスファンタジー」です。期間中は倉庫前の広場に巨大なクリスマスツリーが立てられ、音楽に合わせた華やかなイルミネーションショーが繰り広げられます。北海道の冷たい夜気の中に広がる光の演出は幻想的で、全国から多くの観光客が訪れる冬の風物詩となっています。
函館は「日本三大夜景」のひとつに数えられる都市でもあります。函館山からの夜景観賞の後、麓に降りてから赤レンガ倉庫周辺を散策するというルートは、夜の函館を二倍楽しむ定番コースです。
季節ごとの楽しみ方
赤レンガ倉庫は一年を通じてさまざまな表情を見せてくれます。
**春(4〜5月)** は、函館の短い春に咲く花々が港町に彩りを添える季節です。倉庫周辺の遊歩道を散策しながら、穏やかな海風を感じる旅はとても心地よいものです。ゴールデンウィーク期間は多くの観光客で賑わいます。
**夏(6〜8月)** は函館観光のベストシーズン。港町らしい開放感あふれる季節で、倉庫前の広場では各種イベントが頻繁に開催されます。夕方から夜にかけては涼しい海風の中で散策が楽しめ、函館湾に沈む夕日と赤レンガのコントラストは息をのむほどの美しさです。
**秋(9〜11月)** になると観光客の混雑が落ち着き、比較的ゆったりと見学できます。空気が澄んで夜景がより鮮明に見えるようになるこの季節は、写真撮影にも最適です。
**冬(12〜2月)** は、クリスマスファンタジーを目当てに多くの来場者が訪れます。雪が積もった赤レンガとイルミネーションの組み合わせは、函館ならではの冬の名景。防寒対策をしっかりしたうえで、幻想的な冬の港を満喫しましょう。
周辺の観光スポットとの組み合わせ
赤レンガ倉庫は函館観光の中心地に位置しており、周辺には多くの名所が集まっています。徒歩数分圏内には、新鮮な海産物が揃う「函館朝市」があり、早朝に立ち寄ってイクラやウニを堪能した後、倉庫でのんびり過ごすというプランが人気です。
函館の坂と洋館が残る「元町エリア」へは、倉庫からゆっくり歩いて15〜20分ほど。坂道を上りながら異国情緒あふれる西洋建築を観賞し、函館山へと続く散策コースも充実しています。また、函館駅からは路面電車(市電)が走っており、倉庫近くの「十字街電停」や「末広町電停」を利用すれば市内各所へのアクセスも便利です。
アクセスと基本情報
金森赤レンガ倉庫へのアクセスは複数の方法があります。JR函館駅からは徒歩約15分。函館市電をご利用の場合は「十字街」電停下車後、徒歩約5分で到着します。函館駅前からは路線バスも運行しており、観光周遊バスを活用するのもおすすめです。
施設内の各店舗は基本的に年中無休で営業しており、営業時間はショップが9時30分〜19時(季節や店舗によって変動あり)が目安です。駐車場も完備されているため、レンタカーでのアクセスも問題ありません。
所在地は北海道函館市豊川町11-11で、函館湾に面した好立地。天候を問わず楽しめる屋内施設と開放感ある野外広場が融合した赤レンガ倉庫群は、函館観光の拠点として何度訪れても新たな発見がある場所です。歴史と現代が交差するこの空間で、港町函館の深い魅力をぜひ体感してください。
交通
函館駅から徒歩圏内
營業時間
預算