品川駅から徒歩圏内、キヤノンSタワーの1階と2階に広がる「キヤノンギャラリー S」は、写真文化を身近に感じられる無料の複合ギャラリーです。仕事帰りや週末の散策ルートに取り入れたい、東京港区の知る人ぞ知る文化スポットです。
キヤノンが運営する写真専門ギャラリー
キヤノンギャラリー Sは、カメラメーカーとして世界的に知られるキヤノンの日本法人・キヤノンマーケティングジャパンが運営する写真専門の展示スペースです。品川のキヤノンSタワーという自社ビルの1階・2階を丸ごと使い、複数のギャラリースペースを設けているのが特徴です。
単なる企業のショールームにとどまらず、プロフェッショナルな写真家から若手作家、写真学校の学生まで幅広い作品を紹介する場として、写真ファンや業界関係者の間で長年にわたって親しまれています。入場は無料であることも、気軽に立ち寄れる理由のひとつです。ギャラリー全体のコンセプトは「写真を通じた文化の発信」であり、展示の質の高さとともに、一般来館者が写真芸術に触れる機会を提供し続けています。
3つのスペースがそれぞれの役割を担う
キヤノンギャラリー Sには、用途や目的の異なる3つの展示エリアがあります。
1階に位置する「キヤノンギャラリー S」は、同施設のメインギャラリーといえる存在です。可動式の壁面を採用しており、展示の内容や演出に合わせてレイアウトを自由に変えられる仕組みになっています。この柔軟な空間設計により、横長のパノラマ作品から縦長のポートレートまで、どんな作品でも最適な見せ方ができます。著名写真家の個展や話題性の高い写真展が行われることが多く、来館者の注目度も高いエリアです。
2階には「キヤノンオープンギャラリー1」と「キヤノンオープンギャラリー2」の2つのスペースがあります。ここでは複数の展示が同時進行で開催されることも珍しくなく、1度の訪問で異なるテーマの写真展をまとめて楽しめます。写真学校の卒業制作展や、SNSのグループによる企画展など、より多様な作り手の作品に出会えるのもこのフロアの魅力です。
さらに、キヤノンオープンギャラリー2の奥にはキヤノンプラザ Sのコミュニケーションスペースも併設されており、カメラの修理・メンテナンス受付やカメラ製品のお試しコーナーも利用できます。カメラ好きにとっては、写真鑑賞だけでなく機材に触れられる一石二鳥の場所です。
3,000点超のコレクションと多彩な展示スケジュール
キヤノンマーケティングジャパンが長年にわたって収蔵してきた写真作品は3,000点を超えます。日本を代表する著名写真家たちの貴重な作品が含まれており、これらを順次公開していくという方針のもと、定期的に展示内容が入れ替わります。
たとえば、野村恵子氏の写真展「龍宮」(2026年3月〜5月開催)は、海の神秘をテーマにした幻想的な映像世界を展開する個展として注目を集めました。また、鉄道写真の第一人者として知られる広田尚敬氏の写真展「鉄道写真」(2026年5月〜6月予定)は、日本の鉄道風景を独自の視点で切り取った作品群が予告されており、鉄道ファンや写真ファンから期待されています。
ドキュメンタリー写真を得意とする上吉川祐一氏の「Rebirth いのちのかたち」や、山川健一氏の「Crossing」といった個展では、スナップやポートレートを通じて人間や生命の本質に迫る作品が並びます。報道写真記者と広告写真家による比較展示という実験的な企画も実施されており、写真の「目的」や「視点」の違いを学べる教育的な側面もあります。
学生作品の発表の場としても機能しており、日本写真映像専門学校の卒業制作・学年末制作選抜展なども定期的に行われています。次世代の写真家たちのフレッシュな感性に触れられるのも、このギャラリーならではの楽しみです。
写真・映像作家発掘の場「GRAPHGATE」
キヤノンギャラリー Sの注目すべき取り組みのひとつが、写真・映像作家の発掘を目的としたオーディション「GRAPHGATE(グラフゲート)」です。新進気鋭のクリエイターを見出し、ギャラリーという発表の場を通じて世に送り出すこのプログラムは、若手アーティストの登竜門として機能しています。
GAITEで選ばれた作家の企画展は実際にキヤノンギャラリー Sで開催されており、選出された作家の独自の世界観を間近で楽しめます。写真界の新しい才能を早い段階で発見できる機会として、アート関係者だけでなく写真愛好家にも好評です。また、過去に開催された写真展については紹介動画がオンラインで公開されており、来館できなかった方でも作品の雰囲気を知ることができます。
アクセスと利用案内
キヤノンギャラリー Sへのアクセスは、JR品川駅の港南口(2階改札)から徒歩約8分。京浜急行の品川駅からは徒歩約10分ほどかかりますが、途中の港南口周辺には複数のオフィスビルや飲食店が並ぶ整備されたエリアが続くため、道に迷うことなくたどり着けます。
営業時間は10時から17時30分まで。日曜日・祝日および会社の休業日は休館となっているため、訪問前に公式サイトで開館日を確認しておくと安心です。入場料は無料で、予約なしで自由に入館できます。
電話での問い合わせはナビダイヤル(0570-07-9264)、もしくは直通の03-6634-6099へ。展示スケジュールの最新情報は公式ウェブサイトで随時更新されており、興味のある展覧会を見つけてから足を運ぶのがおすすめです。
品川という交通利便性の高いエリアにありながら、無料で質の高い写真芸術に触れられるキヤノンギャラリー S。写真が好きな方はもちろん、アートに興味はあるけれど美術館には少し敷居を感じるという方にも、ぜひ気軽に立ち寄ってほしい場所です。
交通
JR品川駅(2階)港南口方面より徒歩約8分 京浜急行品川駅より徒歩約10分
營業時間
10:00〜17:30、定休日:日曜日・祝日と弊社休業日
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