観音崎は神奈川県横須賀市の東端、東京湾の入口にあたる三浦半島の突端に位置する岬で、東京湾と浦賀水道を隔てる海運の要衝として古くから知られてきました。この岬の最大の象徴が、明治2年(1869年)に点灯した日本で最初に建設された洋式灯台・観音崎灯台です。幕末に日米修好通商条約の付属条約である江戸条約によって建設が約束された8基の洋式灯台のひとつで、お雇い外国人でフランス人技師のフランソワ・レオンス・ヴェルニーの設計によって建てられました。初代の灯台は関東大震災で倒壊し、現在立つのは大正14年(1925年)に再建された三代目ですが、それでも90年以上の歴史を刻む貴重な近代化産業遺産として、現在も東京湾を行き交う船舶の安全を24時間休むことなく見守り続けています。
白亜の美しい灯台は全国に数ある「のぼれる灯台」のひとつで、内部のらせん階段を上って展望台に出ると、眼下には浦賀水道を行き交う巨大な貨物船、タンカー、コンテナ船、フェリーなどがひっきりなしに通過する海のハイウェイが広がります。東京湾は日本の海上物流の大動脈であり、観音崎はその入口を扼する戦略的な場所として、昔から現在に至るまで重要な役割を果たしてきました。天気の良い日には房総半島の富津岬、遠く房総の山々、さらには三浦半島から富士山までを一望でき、都心からわずか1時間半ほどでこれほど雄大な海景を味わえる場所は関東でも貴重な存在です。
岬一帯は観音崎公園として整備されており、岬の先端までは起伏に富んだ遊歩道が張り巡らされ、散策しながら海辺の自然と歴史を楽しめます。園内には縄文時代の遺跡、戦争遺跡としての砲台跡、岩礁の磯辺、松林、芝生広場、ビジターセンターの観音崎自然博物館など、バラエティ豊かな見どころが詰まっています。磯遊びができる岩場では、カニやヤドカリ、小さな魚を観察でき、夏場は家族連れの磯観察スポットとして賑わいます。岬の北側には「たたら浜」と呼ばれる小さな砂浜があり、初代ゴジラが上陸したロケ地として映画ファンにも知られています。
観音崎の名前の由来は、行基が彫ったとされる十一面観音が祀られていたことにあり、かつては岬の先端に観音堂があったと伝えられています。現在でも岬の中腹には観音堂の跡や、弘法大師ゆかりの権現洞窟などが残り、海の安全を願う信仰の痕跡を感じることができます。また幕末にはペリー来航に備えて沿岸警備の要として砲台が築かれ、明治以降は東京湾要塞の一部として軍事的に極めて重要視されました。園内に残る砲台跡や弾薬庫跡などの遺構は、近代日本の国防の歴史を物語る貴重な資料として保存されています。
周辺には横須賀美術館、走水神社、浦賀の渡し、久里浜といった観光スポットが点在しており、観音崎を起点に三浦半島を周遊する一日コースも魅力的です。横須賀名物の海軍カレーや海鮮丼、地魚を使った料理も楽しめ、歴史・自然・グルメの三拍子が揃った関東有数の海岬観光地として、首都圏在住者から遠方の旅行者まで幅広く愛されています。特に夕日に染まる灯台と東京湾のシルエットは格別で、カメラ愛好家にとっても絶好の撮影スポットとなっています。
交通
京浜急行「浦賀駅」または「馬堀海岸駅」よりバスで「観音崎」下車、徒歩約10分
营业时间
公園散策自由/灯台見学 9:00〜16:00(参観寄付金¥300)
预算
駐車場 1日¥920、灯台参観寄付金 大人¥300