
つやま自然のふしぎ館
GALLERY
津山城跡の入り口に隣接するつやま自然のふしぎ館は、岡山県中部・津山市が誇る自然史の総合博物館だ。世界各地の動物のはく製を中心に、昆虫、化石、鉱石など2万点を超える標本が1,500㎡の館内にぎっしりと収まり、訪れる人を圧倒する。
校舎から博物館へ――建物そのものが歴史の証人
館の建物は、かつて「津山基督教図書館高等学校夜間部」として使われていた校舎を改築したものだ。職員室・教室・理科室・集会室といった学校の間取りをそのまま活かして展示スペースに転用しており、廊下を歩くたびに独特のレトロな雰囲気が漂う。1963年11月の開館以来、建物の記憶と自然史の標本が共存するユニークな空間として親しまれてきた。
キンシコウからシベリアトラまで――希少動物800点が集結
はく製コーナーの見応えは圧巻のひと言だ。絶滅の恐れがあるキンシコウ、ローランドゴリラ、アムールヒョウ、シベリアトラ、インドライオン、ホッキョクグマなど、通常の動物園でも出会うことが難しい希少種のはく製が目の前に並ぶ。シロフクロウやゾウアザラシ、ナマケモノ、キリン、チンパンジーなど個性豊かな生き物も加わり、世界規模の「動物図鑑」を立体的に体感できる。いずれも実物大の迫力があり、子どもはもちろん大人も思わず立ち止まる展示だ。
昆虫・貝・鉱石・化石――自然の多様性を網羅する2万点
動物はく製に劣らず充実しているのが、世界各地の蝶や昆虫類、貝類、鉱石・岩石類、化石類など約22,000点の標本群だ。色彩豊かな蝶のコレクションや光を放つ鉱石、繊細な貝殻の造形など、生物多様性と地球の歴史が凝縮されている。「動物だけではないのか」と思って入館した人が、気づけば全フロアを端から端まで歩き回っているのが常という館だ。
吉井川が語る2000万年前の海
化石の展示の中でも特別な存在感を放つのが、津山市内を流れる吉井川から発掘されたひげクジラの全身骨格化石だ。その年代は2000万年前に遡り、現在は内陸の盆地であるこの地がかつて海の底にあったことを静かに物語っている。地元の大地から掘り起こされた化石を地元の博物館で見る体験は、教科書では得られないリアルな時間の感覚をもたらす。
夜の博物館と、手で触れる修復の現場
夏には閉館後の薄暗い館内を巡る「ナイトミュージアム」が恒例で開催される。また、展示中のはく製を職員が来館者の目の前で修復する「公開修復」も不定期に実施されており、普段は見えない保存の現場を間近に観察できる機会として好評だ。さらに2026年には館のコレクションをまとめた写真集も刊行され、手元で標本の世界を楽しむ新たな方法も加わった。
津山城観光と合わせて立ち寄れる好立地でありながら、腰を落ち着けて見て回ると半日では足りないほどのボリュームを持つ。自然史の「ふしぎ」を丸ごと体感できる場所として、家族連れから研究者まで幅広く受け入れる津山の名所だ。
アクセス
JR津山線津山駅から徒歩約15分(〒708-0022 岡山県津山市山下98−1)
営業時間
09:00~17:00(入館は16:30まで) 定休日: 3月・5月・7月・9月・11月:毎週月曜日(GW期間は開館) 1月・2月・6月・12月:毎週月・火曜日 4月・8月・10月:毎日開館 祝日は開館。年末年始(12月29日~1月2日)は休館
料金目安
大人700円、小人(小・中学生)600円、幼児(4・5歳)400円。団体料金(20名以上)あり
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