
浦富海岸 遊覧船クルーズ
GALLERY
鳥取県の東端、岩美町に広がる浦富海岸は、日本海の荒波が長い年月をかけて刻み込んだ奇岩と洞門の絶景地帯だ。「山陰の松島」とも称されるその海岸美を、遊覧船の上からゆったりと眺めるクルーズは、訪れた人の記憶に深く刻まれる体験となるだろう。
「山陰の松島」が生まれるまで
浦富海岸は、鳥取県の北東部・岩美町から兵庫県香美町にかけて約15キロメートルにわたって続くリアス式海岸の一部だ。リアス式海岸とは、もともと山地だった場所が地殻変動や海面上昇によって海に沈み、谷が入り江となって複雑な海岸線を形成したもので、浦富海岸ではその地形的特徴に加え、日本海の荒波による長年の侵食が独特の造形美を生み出している。
花崗岩や砂岩の岩盤が波に削られてできた断崖絶壁、波の力が岩を内側からくり抜いた洞門、離れ岩が林立する入り江……。その光景が宮城県の松島を思わせることから、いつしか「山陰の松島」という別称で呼ばれるようになった。1955年には山陰海岸国立公園に指定され、その自然景観の価値が国によって正式に認められている。
遊覧船が見せる海上からの絶景
浦富海岸の真の迫力を体感するなら、やはり遊覧船クルーズが最適の手段だ。陸上から眺めるだけでは届かない断崖の内側や、洞門の奥深くまで船は進んでいく。
コースは主に2種類あり、島めぐりコース(約30分)と洞窟めぐりコース(約50分)が運航されている。島めぐりコースでは、松島のような岩島が連なる外海の景色を楽しみながら周遊する。洞窟めぐりコースはその名の通り、海食洞と呼ばれる洞窟の内部まで船が進入するルートで、岩盤を通り抜ける際に頭上に迫る岩壁の迫力は格別だ。洞窟内に差し込む光が海面を青緑色に照らし出す幻想的な光景は、このクルーズならではの見どころとなっている。
また、浦富海岸の遊覧船の大きな特徴のひとつが「半潜水型透明船」の存在だ。船体の一部がガラス張りになっており、船内からそのまま海中の様子を観察できる。浦富海岸の海は透明度が非常に高く、水深数メートルの岩礁地帯にも光が届くため、カサゴやメバルなどの根魚、ウニやヒトデ、カニなどの生き物が鮮明に見える。子ども連れのファミリーには特に人気が高く、乗船中は子どもたちが窓に張りつくようにして海中を覗き込む光景が見られる。
季節ごとに変わる表情
浦富海岸の遊覧船は、季節によって異なる魅力を提供してくれる。
春(4〜5月)は、穏やかな海況の日が増え始め、クルーズには最適なシーズンの幕開けだ。新緑が海岸の山肌を彩り、青い海との対比が美しい。GWの大型連休は混雑するため、事前予約や早めの乗船を心がけたい。
夏(7〜8月)は最も賑わいを見せる季節で、透明度の高い海がひときわ輝く。海水浴場も開設され、シュノーケリングやシーカヤックといったマリンアクティビティも楽しめる。夏の日差しが海面を照らすと、洞窟内のブルーの光はさらに際立って見える。
秋(9〜10月)は観光客が落ち着き、ゆっくりとクルーズを楽しめる穴場の季節だ。空気が澄んで遠くの岩島まで鮮明に見え、夏とはまた違った静謐な美しさがある。
冬(11〜3月)は荒天による欠航が増えるため、乗船前の運航確認が不可欠だ。一方で、荒波が岩にぶつかる迫力ある光景や、空いた船内でガイドの話をじっくり聞けるという冬ならではの楽しみもある。
アクセスと周辺の観光スポット
鉄道でのアクセスは、JR山陰本線の岩美駅が最寄り駅となる。岩美駅から遊覧船乗り場のある浦富港・網代港エリアまでは、日ノ丸バスの路線バスを利用するか、タクシーで約10〜15分程度だ。
車でのアクセスは、鳥取市内から国道9号線を経由して約30〜40分。鳥取自動車道の岩美ICから降りると、海岸まで非常にアクセスしやすい。駐車場は浦富港および網代港の両乗り場に無料駐車場が整備されているため、マイカー観光には便利だ。
周辺には「浦富海岸島めぐりクルーズ」の乗船場となる浦富港・網代港のほか、海岸沿いを歩く遊歩道も整備されており、クルーズと合わせて散策するのもよい。また、浦富海岸から車で約20分の場所にある鳥取砂丘と組み合わせた観光コースが定番だ。砂丘とリアス式海岸という対照的な地形の両方を一日で楽しめるのは、鳥取東部ならではの贅沢といえる。さらに、岩美町内には新鮮な海の幸が味わえる食事処も多く、クルーズ後にカニや岩ガキ、のどぐろといった日本海の幸を堪能するのも旅の醍醐味のひとつだ。
旅の計画を立てる際のポイント
遊覧船は天候や波の状況によって欠航や運航ルートの変更が生じることがある。特に冬季や台風シーズンは注意が必要で、出発前に公式サイトや観光案内所で最新の運航状況を確認することをおすすめする。乗船時間は余裕を持って計画し、乗り場には15分前には到着するよう心がけたい。
洞窟内は年中ひんやりしているため、夏でも薄手の羽織物があると快適だ。また、岩場の飛沫がかかることもあるため、カメラや荷物はバッグにしまっておくと安心だ。クルーズ中はガイドによる解説が行われるため、イヤホンガイドの貸し出しサービスの有無も事前に確認しておくとよいだろう。
日本海の青さと、何千年もの時間が彫り上げた奇岩の世界——浦富海岸の遊覧船クルーズは、山陰の自然の偉大さをまるごと体感できる、一度は訪れる価値のある体験だ。
アクセス
JR岩美駅からバス10分
営業時間
遊覧船 9:00〜15:30(冬季運休)
滞在時間目安
40分
予算内訳
大人
¥2,000
施設の特徴
外部予約・検索サイトで探す
下記の外部サイトで本店舗・施設の予約・在庫状況をご確認いただけます。
※ 外部サイトへのリンクには広告 (アフィリエイト) を含みます。
RELATED SPOTS
関連するスポット(8件)
広島県広島市中区中島町
広島平和記念公園
原爆ドームと平和記念資料館を中心に、世界平和を祈る広島のシンボル。
島根県出雲市大社町杵築東
出雲大社
縁結びの神として知られる日本最古級の神社。巨大な注連縄は圧巻の迫力。
鳥取県鳥取市福部町
鳥取砂丘
日本最大級の砂丘。風と砂が織りなす風紋や砂柱は自然の芸術品。




