
大新館
GALLERY
大正7年(1918年)の創業から100年以上、宮城県の鳴子温泉郷に静かな佇まいを保ち続ける純和風老舗旅館「大新館」。宮沢川のせせらぎを聞きながら、日本の温泉旅館ならではのゆったりとした時間を過ごせる一軒だ。
創業100余年が刻む歴史と品格
大正7年の創業というのは、現在から100年以上前のこと。二度の大戦をくぐり、昭和・平成・令和と時代の変遷を見守り続けた「大新館」は、鳴子温泉郷の数ある旅館のなかでも、特に深い歴史を持つ一軒として知られている。
なかでも名高いのが、作曲家・中山晋平との縁だ。「カチューシャの唄」「東京音頭」「シャボン玉」など、日本の近代音楽史に輝く数々の名曲を生んだ中山晋平は、鳴子の湯と大新館をこよなく愛し、繰り返し逗留したと伝えられている。芸術家が旅先の静寂の中でインスピレーションを得る場所として選んだという事実は、この宿の持つ格別の雰囲気を物語っている。著名な文人や芸術家が愛した旅館には独特の空気が漂うもので、大新館も例外ではない。長い歴史の中で磨かれたもてなしの精神が、今も館内の随所に息づいている。
宮沢川のせせらぎが寄り添う純和風の佇まい
宿のすぐそばを流れる宮沢川は、大新館の景観と雰囲気を語る上で欠かせない存在だ。四季を通じて絶えることなく流れる清らかな川音は、日常の喧騒を忘れさせてくれる自然の音楽である。窓を開けると聞こえてくるやわらかなせせらぎは、夜の静けさをいっそう深め、心身ともにほぐれていく感覚をもたらしてくれる。
建物は純和風の造り。畳敷きの客室、木の温もりを感じさせる廊下、和の意匠を随所に取り入れた内装など、日本旅館本来の美しさを大切に守り続けている。近年のリゾートホテルのような華やかさとは異なる、落ち着いた和の趣が、大新館の最大の魅力のひとつといえるだろう。格式を感じさせながらも堅苦しくなく、昔ながらの日本旅館の空気をたっぷりと味わいたい旅人にとって、これ以上ない環境が整っている。
鳴子温泉郷の湯と旅館でのくつろぎ
鳴子温泉郷は、日本にある11種類の泉質のうち9種類が湧出するという、世界的にも稀有な温泉地だ。泉質の多様さでは国内随一ともいわれ、単純温泉・硫黄泉・重曹泉・食塩泉など、さまざまな成分を持つ湯が周辺一帯から湧き出している。肌への効能もそれぞれ異なり、温泉巡りをしながら自分の体に合った湯を楽しむことができる。
大新館が立地する吹上方面のエリアは、鳴子温泉の中心部からやや離れた静かな場所。喧騒を離れ、川のほとりで静かに湯を楽しむことができる環境は、温泉地としての原点ともいえる体験を提供してくれる。旅館でゆっくりと湯に浸かった後は、浴衣姿でくつろぎながら過ごすのが老舗旅館での王道の過ごし方。畳の上に大の字になり、川音に耳を傾けながらまどろむひとときは、日々の疲れを芯から解きほぐしてくれる。
鳴子周辺の豊かな観光資源
大新館から最寄りの鳴子温泉駅を拠点にすると、東北屈指の観光スポットへのアクセスが非常に便利だ。なかでも必見なのが「鳴子峡」。奥羽山脈の溶岩が長い年月をかけて浸食されてできた深い渓谷で、秋には赤や黄に染まる紅葉が絶景を作り出す。特に10月中旬から11月上旬にかけての紅葉シーズンは多くの観光客が訪れ、東北の秋を代表する景勝地として広く知られている。
また、鳴子温泉は「鳴子こけし」の産地としても有名だ。独特のキイキイとした音が鳴ることからその名がついたともいわれる鳴子こけしは、素朴で温かみのある造形が魅力。温泉街には工房やみやげ物店が点在しており、職人の手によって作られる伝統こけしを間近で見たり、絵付け体験をしたりすることができる。湯上がりの散策コースとして、温泉街のこけし巡りを楽しむのもおすすめだ。
さらに、陸羽東線(通称「奥の細道湯けむりライン」)に乗れば、山形県の新庄方面や小牛田方面へのアクセスも可能。車があれば、蔵王や松島など宮城を代表する観光地へも足を伸ばせる。また近くには鬼首温泉や中山平温泉など、個性豊かな温泉地が点在しており、温泉はしごも楽しめる。
アクセスと宿泊のポイント
大新館へのアクセスは、鉄道利用の場合はJR陸羽東線「鳴子温泉駅」が最寄り駅となる。駅からは国道47号を経由し、108号線を吹上方面へ約13キロ進んだ先に宿がある。
車でのアクセスの場合は駐車場が15台分(無料・先着順)用意されているため、マイカーでの来訪も安心だ。東北道・古川ICからのアクセスも可能で、仙台方面から車で訪れる旅行者にも利用しやすい立地といえる。仙台市内からは車で約1時間30分〜2時間程度を見ておくといいだろう。
こんな旅人におすすめ
大新館は、派手な娯楽施設や大型のエンターテインメントを求める旅よりも、静かな環境の中でじっくりと旅の時間を味わいたい人に向いている宿だ。歴史ある旅館の空気感が好きな人、川のほとりで自然の音を聞きながら過ごしたい人、鳴子の多彩な温泉を基点に東北各地を探訪したい旅人にとって、大新館は理想的な宿泊地となるだろう。
また、夫婦や恋人同士での温泉旅行、気心の知れた友人との小旅行、あるいはひとり旅のじっくりした時間を大切にしたい旅人にも、老舗ならではの落ち着いた雰囲気が心地よく寄り添ってくれるはずだ。中山晋平が創作のインスピレーションを求めて訪れたように、日常から離れた非日常の静けさの中に身を置くことで、心がリセットされていく感覚を味わいに、ぜひ一度足を運んでみてほしい。
アクセス
陵羽東線・鳴子温泉駅/国道47号線・鳴子→108号線(13k)→吹上方面に1k
外部予約・検索サイトで探す
下記の外部サイトで本店舗・施設の予約・在庫状況をご確認いただけます。
※ 外部サイトへのリンクには広告 (アフィリエイト) を含みます。
RELATED SPOTS
関連するスポット(8件)










