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頼久寺
※写真はイメージです。

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備中高梁の静かな城下町に佇む天柱山頼久寺は、室町時代に足利尊氏が全国に命じて建立させた安国寺のひとつとして歴史に名を刻む。境内には国指定名勝の庭園を有し、江戸初期の作庭家・小堀遠州が手がけた傑作として、今日まで「天下の名園」の呼び声が絶えない。

備中国奉行・小堀遠州の初期作品

庭園が造られた1605年頃、小堀遠州は備中国奉行として高梁に赴任していた。この地で手がけた頼久寺庭園は、遠州がまだ若き時代の作で、後に多くの大名庭園を手がけることになる彼の「原点」とも位置づけられる。遠州独特の美意識が凝縮されたこの庭は、蓬莱式枯山水という様式を採りながら、随所に彼ならではの大胆な表現が散りばめられている。

借景・砂紋・二島が織りなす蓬莱世界

庭園の構成は明快にして雄大だ。白砂の面には波紋が描かれ、広大な海原を表現する。その中に鶴と亀の形を模した二つの島が配置され、長寿と不老の理想郷「蓬莱」の世界観を凝縮している。そしてはるか遠方に望む愛宕山を借景として取り込むことで、庭の空間は塀の内側にとどまらず、山並みへと自然に続くように設計されている。限られた敷地に無限の奥行きを生み出す、借景の技法の極致がここにある。

遠州独特の「大刈り込み」

この庭でひときわ目を引くのが、背景を覆うサツキの大規模な刈り込みだ。大海の波を象ったとされるこの大刈り込みは、遠州独特のものとして知られ、他の庭園では容易に見られない豪快さを備えている。繊細な砂紋と骨太な刈り込みという対比が、庭全体に独特の緊張感と力強さをもたらしている。

サツキの季節と四季の移ろい

頼久寺を訪れる最も有名な時期は、サツキが一斉に咲き誇る初夏だ。大刈り込みが鮮やかな朱色に染まり、白砂との対比が庭の輪郭を際立たせる光景は、多くの来訪者を魅了してきた。しかし寺の案内が伝えるように、頼久寺庭園の魅力は特定の季節に限らない。萌え出づる緑の春、雪をまとう冬の静寂、秋の枯れた美しさなど、四季それぞれに異なる表情を見せる。何度訪れても新たな発見がある庭として、地元高梁を代表する文化的風景のひとつとなっている。

アクセス

岡山県高梁市頼久寺町18

営業時間

9:00〜17:00

料金目安

500円~1,000円

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