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高梁市成羽美術館

高梁市成羽美術館

※写真はイメージです。

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高梁市成羽美術館は、成羽町が生んだ洋画家・児島虎次郎の遺徳を顕彰するために1953年(昭和28)に岡山県初の町立美術館として開館した文化施設です。1994年(平成6)には建築家・安藤忠雄の設計による3代目の建物が現在地に新築開館し、以来この地の芸術と地質学の両面を伝える拠点として愛されています。

安藤忠雄が彫り出した空間

現在の建物は、打ち放しコンクリートと自然の緑を融合させる安藤忠雄の建築哲学が随所に息づいています。コンクリートの壁面と周囲の豊かな緑が響き合う景観は、館に足を踏み入れる前から鑑賞体験のはじまりとなっています。建物そのものがひとつの作品として成立しているため、美術・化石・建築という三つの視点で訪れる楽しみがあります。

児島虎次郎のコレクション——印象派から東洋古美術まで

館の核心をなすのが、1881年に成羽に生まれ1929年に没した洋画家・児島虎次郎のコレクションです。児島は日本における印象派絵画の代表的な担い手として、色彩豊かな人物画や風景画を数多く残しました。また、渡欧・渡中の折に西洋絵画を精力的に収集し、その成果は今日の大原美術館の礎となったことでも知られています。さらに児島はオリエントや中国・朝鮮半島の古美術品にも深い眼を向けており、洋画作品と東洋古美術という幅広い蒐集の軌跡が本館で一望できます。

NARIWA Flora——世界が認めた三畳紀の植物化石

美術館がもう一つの柱として誇るのが、「成羽フローラ(NARIWA Flora)」と国際的に呼ばれる植物化石群です。成羽地域からは三畳紀後期の植物化石が産出しており、日本最古の森林の植物化石として保存されています。これまでに110種あまりが発見されており、これほど多くの新種化石が密集して産する地域は世界的にも極めて珍しく、地質学の分野で高い評価を受けています。美術鑑賞とはまったく異なる時間軸——約2億年前の植生——に触れられる展示は、この美術館ならではの体験です。

地域の誇りが凝縮した場所

洋画家・児島虎次郎の絵画世界、東洋古美術のコレクション、そして世界的に貴重な植物化石群という三つの固有の財産が、安藤忠雄の建築空間の中に収められています。岡山県高梁市という山あいの町から、日本の美術史と地球の自然史の両方を発信し続けるこの美術館は、単なる観光立ち寄りスポットにとどまらない、深く時間をかけて味わいたい文化施設です。

アクセス

岡山県高梁市成羽町下原1068-3。最寄駅・徒歩分数は公式情報に未記載。

営業時間

9:30~17:00(入館は16:30まで)。毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日)・年末年始(12/25~1/7)・展示替え期間は休館。

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