
七ツ森陶芸体験館
GALLERY
台ヶ森焼は宮城県の指定伝統工芸品で、七ツ森周辺でしか産出されない固有の粘土と、薪窯の灰から生まれる天然釉薬によって焼き上げられる陶磁器です。備前焼・丹波焼・萩焼を重ねたような風合いと評されながらも、それらとは異なる独自の表情を持つこの焼き物を、職人から直接学べる施設が「七ツ森陶芸体験館」です。
台ヶ森焼の三つの顔
台ヶ森焼には、大きく三つの表現方法があります。ひとつは「台ヶ森釉」と呼ばれる独自の天然釉薬を使った作品。七ツ森の土と薪窯の灰が溶け合うことで生まれる色合いは、量産品にはない一点一点の個性を宿しています。
ふたつ目は釉薬を一切使わない「焼〆」。1280〜1300℃という高温で焼成することで、土そのものの質感と表情を引き出す技法です。
そして三つ目が、東日本大震災後の2014年に生み出された独自技法「莫迦焼締」。何度も繰り返し窯に入れ、焼くたびに研ぎ出すという工程を経ることで、他の焼き物では得られない深みと風合いが生まれます。使い込むほどに色と艶が変化し、持ち主の手や暮らしに馴染んで「自分だけの器」へと育っていく点が最大の特徴です。
体験プログラムと陶芸教室
施設では個人から団体まで、随時陶芸体験を受け付けています。七ツ森の地で採れる土を自分の手でこね、形を作る工程は、台ヶ森焼という伝統に直接触れる体験です。継続的に技術を深めたい方向けに、陶芸教室の会員制度も設けられています。
電源不要の陶製スピーカーという驚き
館内では職人の作品を購入することもできます。茶器や日常使いの陶器に加えて、とりわけ注目を集めるのが「陶製スピーカー」。電源を必要とせず、音響器として機能するこのユニークなプロダクトは、焼き物の可能性を広げる台ヶ森焼ならではの試みです。土の持つ共鳴特性を活かした作品として、陶芸ファン以外の来訪者にも強い印象を与えます。
七ツ森という土地との結びつき
台ヶ森焼の原料となる粘土は、施設が立つ七ツ森周辺でしか採れません。土地と焼き物が切り離せない関係にあることが、この工芸品をよりいっそう固有のものにしています。体験を通じて作る器も、購入する作品も、すべて宮城・大和町の七ツ森という場所から生まれた一点もの。「どこでも買えるもの」では決してない、土地の記憶が宿った焼き物です。
アクセス
宮城県黒川郡大和町宮床字高山120
営業時間
10:00~17:00(11月~3月は10:00~16:00)/定休日:水曜日
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