国立国会図書館 国際子ども図書館
上野の杜に息づく、日本唯一の国立児童書専門図書館。子どもの本を愛するすべての人が、時代や国境を越えた書物の世界へと誘われる、知的探求の聖地です。
日本初の国立児童書専門図書館として
国立国会図書館 国際子ども図書館は、2000年(平成12年)に国立国会図書館の支部図書館として設立された、わが国初の国立の児童書専門図書館です。東京都台東区の上野公園に隣接する場所に位置し、子どもの本・絵本・読書文化に特化した資料の収集・保存・提供を使命としています。
一般的な公共図書館とは大きく異なり、「国立」の名が示すとおり、日本全国および国際的な視点から児童書を体系的に収集・整理しているのが最大の特徴です。個人への貸し出しは行っていませんが、閲覧は自由で入館手続きも不要。どなたでも気軽に訪れ、膨大な資料に触れることができます(なお、児童書研究資料室のみ事前の利用手続きが必要です)。
国内外を網羅する圧倒的な資料の広がり
この図書館が誇るのは、児童書に特化した資料の幅広さです。明治以来の日本の子どもの本から、世界各国の絵本・読み物・資料集まで、国内外を問わず体系的に収集しています。特に「国際」の名を冠するだけあり、海外の児童書コレクションの充実ぶりは他館の追随を許しません。英語をはじめ、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語など多言語による絵本や読み物が揃い、世界の児童書文化を一堂に比較できる環境が整っています。
研究者・図書館関係者・保育士・教員など専門職の方々が、文献調査やテーマ研究のために全国各地から来館することも多く、子どもの読書文化を研究する拠点としての役割も担っています。また、国立国会図書館サーチ(NDL SEARCH)を通じたオンラインでの資料検索にも対応しており、来館が難しい方でも所蔵情報を事前に調べることができます。
歴史的建築が織りなす唯一無二の空間
館内に足を踏み入れると、まず圧倒されるのがその建築の重厚さです。現在の施設は、明治39年(1906年)に帝国図書館として建設されたレンガ造りの旧館と、2002年に増築された新館(アーチ棟)から構成されています。旧館は国の登録有形文化財にも指定されており、細部に施された装飾や高い天井、格調ある読書室が、訪れる人に特別な知的空間の体験を与えてくれます。
歴史的な建物でありながら、バリアフリー対応も整備されており、ベビーカーや車椅子での来館にも配慮されています。子ども連れのファミリーから研究者まで、幅広い利用者を温かく迎え入れる設計となっています。建物そのものがひとつの「展示物」ともいえるこの空間は、読書体験にとどまらない豊かな文化的訪問を約束してくれます。
展示・イベント・講演会で深まる本との出合い
国際子ども図書館では、資料の閲覧提供にとどまらず、多彩なイベントや企画展示が定期的に開催されています。絵本の原画展や特定テーマに沿った展示会は、絵本の世界をより深く理解するきっかけを与えてくれます。たとえば「絵探し絵本となかまたち」のような企画展では、特定ジャンルの絵本の歴史や表現技法を体系的に紹介し、子どもから大人まで楽しめる内容となっています。
また、作家・イラストレーター・研究者を招いた講演会も人気を集めています。創作の背景や児童書の歴史、多様な文化的視点から語られる言葉は、本好きの方々にとってかけがえない学びの機会となります。講演会の一部は後日録画配信も行われており、来館できない方でも学びにアクセスできる体制が整えられています。さらに、学校図書館向けの「学校図書館セット貸出し」制度もあり、教育現場との連携にも積極的に取り組んでいます。
上野という立地が生む豊かな文化体験
国際子ども図書館が位置する上野は、日本屈指の文化・芸術の集積地です。東京国立博物館、国立西洋美術館、国立科学博物館、上野動物園といった施設が徒歩圏内に集まる上野公園の一角にあることで、この図書館への訪問は単なる読書体験を超えた、一日がかりの文化探訪へと発展させることができます。
JR上野駅・東京メトロ上野駅から徒歩約10分という好立地で、電車でのアクセスも便利です。地方から日帰りで訪れる利用者も多く、観光がてら立ち寄れる文化スポットとしても認知されています。上野公園の緑に囲まれた環境は四季折々の表情を見せ、特に桜の季節には館内の読書と屋外の散策を組み合わせた訪問が人気を集めます。
こんな人に特におすすめ
国際子ども図書館は、幅広い層の方々に開かれた施設です。絵本や児童文学が好きなお子さんや保護者の方はもちろん、保育士・幼稚園教諭・小学校教員など教育に携わるプロフェッショナル、児童書の歴史や翻訳・出版を研究する学者・大学院生、絵本作家やイラストレーターを目指すクリエイターなど、「子どもの本」に関わるあらゆる人にとって価値ある訪問先となっています。
入館無料・手続き不要という敷居の低さも魅力のひとつ。「どんな本があるかちょっと見てみたい」という気軽な動機でも十分に楽しめますし、専門的な文献調査のために腰を据えて利用することもできます。上野を訪れる機会があれば、ぜひ足を延ばしてみてください。日本の児童書文化の豊かさと深さを、この空間で感じることができるはずです。
アクセス
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅から徒歩約10分
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