小樽市街地の西側の丘に立つ旭展望台は、市内でもっともアクセスしやすい展望スポットとして地元の人にも旅行者にも親しまれています。夕暮れ時の情景は特に印象的で、一度訪れると忘れられない景色を刻んでくれます。
小樽を一望できる、街いちばんのビュースポット
北海道小樽市には、毛無山展望所や天狗山展望台など複数の展望台がありますが、その中でもっとも市街地に近く、気軽に足を運べるのが旭展望台です。小樽市の富岡2丁目に位置し、眼下には石造りの倉庫が並ぶ運河エリアから港にかけての街並みが広がります。
標高はそれほど高くないものの、市街地の西側という絶好の立地が、ここならではの景色を生み出しています。西向きの開けた視界は、夕方になると一段と輝きを増します。沈みゆく太陽が小樽の街をオレンジ色に染め上げる光景は、訪れた人が思わず足を止めるほどの美しさです。また、朝は朝日を正面から受け止める方角でもあるため、早起きして朝焼けの中の小樽を眺めるのもまた格別の体験です。
入場料は不要で、展望台は24時間いつでも利用できます。旅行の最終日の朝、出発前に朝日を見届けてから帰途につくという使い方や、夜景を楽しんでから宿へ戻るという過ごし方もできる、自由度の高いスポットです。
総延長14kmの遊歩道で自然を満喫
旭展望台の魅力は、眺望だけにとどまりません。展望台の周辺には総延長14kmを超える遊歩道が整備されており、自然の中を歩く時間を楽しめます。コースは短いものから長いものまで全18種類が用意されていて、気軽な散歩から本格的なトレッキングまで、自分のペースに合わせて選ぶことができます。
遊歩道の多くは市街地からもアクセスできるのが便利な点です。小樽中心部からは、小樽市西陵中学校付近から9番の遊歩道へ入ることができます。また8番・6番・18番といったコースも市街地へ抜けられる経路をもっているため、展望台まで歩いて登り、別ルートで街へ下るというコース設定も可能です。自分だけのルートを組み合わせて歩く楽しみがあります。
ただし、遊歩道は整備されているとはいえ舗装されていない自然の道です。足元が不安定な箇所もあるため、訪れる際はスニーカーや登山靴など、歩きやすい靴を選ぶことが大切です。夏場は蜂の出没に注意するよう小樽市からも呼びかけられていますので、虫よけ対策も忘れずに。冬は積雪の状況によって展望台周辺が閉鎖されることがあります。周辺にスキー場があるほどの積雪量になる地域のため、冬季訪問の際は事前に状況を確認してから向かうことをおすすめします。
アクセスと設備——車でも徒歩でも
旭展望台には無料の駐車場が整備されており、車やバイクで訪れる方も安心して利用できます。北海道はドライブやツーリングの目的地としても人気が高く、長距離移動の休憩スポットとして立ち寄る旅行者も多く見られます。トイレも完備されているため、観光の合間に気軽に立ち寄れる環境が整っています。
小樽市街地からは車でおよそ15分という距離感も魅力のひとつです。運河や坂の街を散策してひと息つきたくなったとき、展望台へ移動するのにさほど時間がかかりません。小樽水族館からは30分かからない距離にあり、朝里川温泉からも約30分というアクセスのよさから、小樽観光のルートに組み込みやすいスポットです。小樽水族館の営業が終わる夕方以降に立ち寄れば、ちょうど夕焼けや夜景が広がる時間帯と重なることも多く、一日の観光を締めくくるのにもぴったりです。
市としても観光スポットとして継続的に整備を進めており、近年はリニューアル工事や案内看板の修繕なども行われています。少しずつ訪れやすい環境が充実しているのも、地域に愛されている証といえるでしょう。
周辺観光スポットとの組み合わせ
旭展望台がある富岡エリアは、小樽観光の主要スポットへのアクセス拠点としても便利な立地です。小樽運河やステンドグラス美術館、旧日本銀行小樽支店といった歴史的な建物や観光施設が市街地に集まっており、いずれも旭展望台から車で15分前後の範囲にあります。街歩きを楽しんだ後、丘の上から俯瞰して一日を振り返るというコースは、小樽観光のひとつの定番の流れになっています。
市街地にはルタオや六花亭といった北海道を代表するスイーツのお店も点在しており、観光シーズンには多くの人で賑わいます。人混みに少し疲れたタイミングで、静かな展望台に移動して遠くの景色を眺めるというのも、旅のリフレッシュになります。
また、旭展望台を北海道一周や道南・道央エリアのドライブ旅行に組み込む旅行者も少なくありません。函館・ニセコ方面からは国道5号線を利用するルートが快適で、途中のニセコ町にある道の駅「ニセコビュープラザ」は羊蹄山を望む絶景の休憩スポットとしても知られています。室蘭・伊達方面からのアクセスには国道230号線がおすすめで、洞爺湖の畔にある「道の駅とうや湖」も訪れる価値のある立ち寄りスポットです。
訪れるならこの時間帯がおすすめ
旭展望台は24時間いつでも開放されているため、訪れるタイミングを選ばないのが大きな強みです。それでも景色の印象は時間帯によって大きく変わります。
夕暮れ前後の時間帯は、西日が街を照らし始め、空の色が刻一刻と変化していく様子を楽しめます。日没の時間に合わせて訪れると、空がオレンジからピンク、紫へと移り変わっていく日没のグラデーションを展望台から眺めることができます。日が完全に沈んだ後も、街の灯りが輝き始め、港の夜景が広がります。
朝の時間帯は空気が澄んでいて、街全体が静かに目を覚ます瞬間を独り占めできる贅沢さがあります。特に夏は日の出が早いため、早朝から活動する旅行者にとっても訪れやすい時間帯です。観光地としてはまだ静かな早朝に展望台へ上がり、そのまま市街地へ下りて朝食をとるという流れも、小樽らしい旅の始まり方のひとつです。
問い合わせは小樽市産業港湾部観光振興室(電話:0134-32-4111)まで。初めて小樽を訪れる方も、何度も来ている方も、旭展望台は毎回新しい表情を見せてくれる場所です。
アクセス
小樽市街地から車で約15分、小樽水族館から約30分、朝里川温泉から約30分。駐車場無料。市街地からの遊歩道アクセスあり(小樽市西陵中付近より9番遊歩道経由)
営業時間
24時間営業(冬期積雪時は閉鎖の場合あり)
料金目安