
オオハシとトキの水辺
GALLERY
掛川市南西郷にある掛川花鳥園は、花と鳥が共存する全天候型の体験施設です。その園内に設けられた「オオハシとトキの水辺」は、南国の鮮やかなオオハシと、優雅なトキが水辺の空間に息づく、独特の雰囲気を持つ展示エリアです。鳥たちの生態を間近で観察できる掛川花鳥園の中でも、とりわけ印象的な空間として訪れた人々の心に残り続けています。
掛川花鳥園とオオハシとトキの水辺
掛川花鳥園は1999年にオープンした、花と鳥をテーマにした体験型施設です。静岡県掛川市の南西郷に位置し、JR東海道本線掛川駅から徒歩でもアクセスできる立地にあります。世界最大級ともいわれる温室型の建屋の中に、約100種・約2,500羽もの鳥類を飼育しており、国内随一の規模を誇ります。
「オオハシとトキの水辺」はその広大な園内の一画に設けられたエリアで、熱帯・亜熱帯に生息するオオハシと、優雅な姿が印象的なトキが水辺に近い環境で暮らしています。展示エリア内には池や流水を模した水辺の空間が演出されており、鳥たちが自然な行動をとりやすい環境が整えられています。訪問者は鳥たちとの距離が非常に近く、その羽の色彩や動きをじっくりと観察できるのが大きな魅力です。
オオハシ――自然界の芸術家
オオハシは中南米の熱帯雨林に生息するサイチョウ目オオハシ科の鳥類で、体に不釣り合いなほど大きく鮮やかなくちばしがトレードマークです。くちばしは黄・緑・赤・オレンジなど複数の色が混じり合い、まるで熱帯の画家が塗り重ねたような鮮烈な印象を与えます。
見た目のインパクトから「重いのでは」と思われがちですが、実際のくちばしは内部が蜂の巣状の構造になっており非常に軽量です。体温調節の役割も果たしており、気温が高いときには血流を増やしてくちばしから熱を放散するという精巧な仕組みを持っています。
掛川花鳥園のオオハシたちは人慣れしており、訪問者が近づいても動じずに食事をしたり、枝の上でくつろいだりする姿を見せてくれます。その鮮やかな色彩は写真映えも抜群で、カメラを向ける来場者が絶えません。果物を好む食性を持つため、えさやりの時間帯には活発に動き回る様子も観察できます。
トキ――日本の自然保護の歴史を刻む鳥
トキ(朱鷺)は、かつて日本全国の湿地や水田に広く生息していた鳥です。白に淡いピンクがかった羽色と、長く湾曲した赤いくちばしを持つ優美な姿は、古くから日本人に親しまれてきました。平安時代の文学にも登場し、「朱鷺色(ときいろ)」という言葉が日本語の色名として残るほど、文化に深く刻まれた存在です。
しかし20世紀に入ると農薬使用の拡大や生息地の減少により個体数が激減し、日本産のトキは2003年に絶滅してしまいました。現在は中国から提供された個体をもとに保護繁殖が進められており、佐渡島を中心に野生復帰プロジェクトが続いています。掛川花鳥園でトキの仲間を間近に見ることは、その美しさを体感するだけでなく、自然保護の大切さを子どもたちに伝える貴重な機会にもなっています。
水辺のエリアでは、トキが水辺を歩いたり、静かに水面を眺めたりする姿を観察できます。その立ち姿には気品があり、動物園や水族館とはまた異なる、花鳥園ならではの静謐な時間が流れています。
季節ごとの楽しみ方
掛川花鳥園の屋内施設は全天候型であるため、季節や天候を問わず安定して楽しめます。ただし、季節によって見どころが変わるのも魅力のひとつです。
春から初夏にかけては、園内に飾られたフクシアやハンギングバスケットが色鮮やかに咲き誇り、鳥たちの羽色と相まって華やかな雰囲気が漂います。夏は屋外エリアも活用したイベントが多く、子ども連れのファミリー層で賑わいます。秋は来場者が落ち着く時期で、ゆっくりと鳥たちの動きを観察したい方にとって穴場の季節です。冬は温かい温室の中で寒さを忘れて過ごせるため、寒い日でも快適に観覧できます。
えさやり体験や、フクロウなど様々な鳥との触れ合いコーナーも設けられており、オオハシとトキの水辺だけでなく園全体を1日かけて楽しめます。繁殖シーズンには雛の誕生が見られることもあり、生命の営みをリアルタイムで観察できる場面は何にも代えがたい体験となります。
アクセスと周辺情報
掛川花鳥園(オオハシとトキの水辺)へのアクセスは、JR東海道本線・天竜浜名湖線の掛川駅から徒歩約15分です。駅前からタクシーを利用すると数分で到着します。東名高速道路の掛川インターチェンジからも車で約10分とアクセスしやすく、マイカー来場者のための駐車場も完備されています。
周辺には静岡を代表する観光スポットが揃っています。徒歩圏内には、国の重要文化財にも指定されている掛川城があり、天守閣からは掛川市街と遠州灘の眺望を楽しめます。また、緑茶の産地として有名な掛川市ではお茶にまつわる体験施設や直売所も充実しており、花鳥園訪問とあわせて掛川の食文化も満喫できます。掛川駅周辺には飲食店やカフェも多く、観光後の食事にも困りません。
子どもから大人まで幅広い年代が楽しめる「オオハシとトキの水辺」は、南国の鳥の美しさと日本の自然保護への思いを同時に体感できる、静岡随一のユニークな空間です。
アクセス
掛川駅から徒歩圏内
営業時間
9:00~17:00
料金目安
1,500円~2,500円
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