
BookStore iChi ~書店&カフェバー&ゲストハウス~
城崎温泉の小さな路地に、本の香りと珈琲の薫りが混ざり合うユニークな宿がある。「BookStore iChi」は、書店・カフェバー・ゲストハウスの三つの顔を持つ複合型施設だ。文学と湯の町として知られる城崎に、新たな旅のかたちを提案している。
書店、カフェバー、宿泊が一つ屋根の下に
BookStore iChiの最大の特徴は、その複合的なコンセプトにある。宿泊スペースだけでなく、書店とカフェバーが同じ空間に共存しているという、国内でも珍しいスタイルだ。棚に並ぶ本たちは、旅のお供として手に取ることもできるし、ただその場の雰囲気を楽しむだけでも十分に満足できる。チェックインの後、カフェバーでドリンクを片手に気になった一冊をめくる時間は、日常の忙しさから離れた贅沢なひとときとなるだろう。
書籍のラインナップは、旅行・文学・アート・地域にまつわるものが中心で、城崎ゆかりの作品や兵庫・但馬エリアを扱った本も見つかることがある。本好きの旅人にとっては、宿に着いてから出かけるまでの時間すら惜しく感じられるかもしれない。
ゲストハウスとしての快適さ
城崎町湯島の落ち着いた立地に建つこの宿は、ゲストハウス形式の宿泊施設だ。旅人同士が自然と交わりやすいゲストハウスならではの雰囲気があり、一人旅や少人数での訪問に特に向いている。地域の人々や他の旅行者との偶然の出会いが生まれやすいのも、この形態の宿ならではの魅力だ。
宿泊者はカフェバーのスペースをくつろぎの場として利用でき、本を読みながら、あるいは旅の情報交換をしながら、ゆっくりとした夜を過ごすことができる。温泉街の中心から少し落ち着いた場所にあるため、外湯巡りの疲れを静かに癒すのにも最適な環境が整っている。
城崎温泉の外湯巡りを満喫する
城崎温泉といえば、七つの外湯が有名だ。「さとの湯」「地蔵湯」「柳湯」「一の湯」「御所の湯」「まんだら湯」「鴻の湯」の七湯を浴衣姿で巡る「外湯巡り」は、城崎温泉を訪れる旅人にとって欠かせない体験となっている。宿泊者は外湯のパスを活用することで、複数の湯を効率よく楽しめる。
それぞれの外湯には異なる由緒があり、建物の雰囲気や泉質もわずかに異なる。古い木造の情緒ある湯屋に入り、温泉街の柳並木を浴衣でそぞろ歩く光景は、日本の温泉文化を五感で感じられる体験だ。BookStore iChiは城崎温泉駅にほど近く、外湯へのアクセスも良好なため、自分のペースで気ままに湯巡りを楽しめる。
城崎周辺の観光スポット
城崎温泉エリアには、温泉以外にも多彩な見どころが点在している。温泉街を流れる大谿川(おおたにがわ)沿いの散策は、春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々の美しさを見せてくれる。石畳の路地や格子窓の旅館が並ぶ街並みは、まるで時代を遡ったような趣がある。
豊岡市内には、兵庫県北部有数の観光地である「玄武洞」もある。約160万年前の火山活動によって形成された玄武岩の岩壁は、規則的な柱状節理が幾何学模様を描き、国の天然記念物にも指定されている自然の造形美だ。また、城崎温泉は文豪・志賀直哉が逗留し、名作「城の崎にて」を執筆した地としても知られており、文学ファンにとっては聖地的な存在でもある。少し足を延ばせば、出石(いずし)の城下町でそば巡りを楽しんだり、竹野浜の美しい海岸線を訪れることも可能だ。
アクセスと利用シーン
BookStore iChiはJR城崎温泉駅から徒歩圏内に位置しており、公共交通機関のみでのアクセスも現実的だ。大阪・京都方面からは特急「こうのとり」を利用すれば、乗り換えなしで城崎温泉駅に到着できる。所要時間は大阪から約2時間半から3時間程度で、日帰りでは少々慌ただしい距離感ながら、1泊すればゆっくりと温泉と本の世界に浸れる。
マイカーでのアクセスは、播但連絡道路や北近畿豊岡自動車道を経由するルートが便利だ。豊岡市内にパーキングが整備されているため、車での訪問も問題ない。
この宿が特に向いているのは、一人旅・読書旅・文化的な体験を重視する旅人だ。華やかなリゾートホテルよりも、地域の文化に触れながらローカルな空気感の中で過ごすことを好む人、あるいは旅先で新しい本との出会いを楽しみたい人に、BookStore iChiは忘れられない滞在を提供してくれるだろう。城崎温泉という歴史ある湯の町で、本・珈琲・温泉というシンプルだが豊かな組み合わせを体験してほしい。
アクセス
城崎温泉駅から徒歩圏内
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