
きらサパ【きらむぎサッカーパーク】
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栃木県那須塩原市の東小屋エリアに、地域の子どもたちのために企業と住民が力を合わせて作り上げたサッカーパークがある。コロナ禍という逆境の中から生まれた「きらサパ【きらむぎサッカーパーク】」は、那須塩原ならではのあたたかなコミュニティスポーツの聖地だ。
コロナ禍から生まれた、子どもたちの居場所
2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大は子どもたちのスポーツ環境に深刻な打撃を与えた。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置のたびに公共施設は閉鎖され、サッカーチームをはじめとするスポーツチームは練習場所を次々と失った。大会や交流戦も中止が相次ぎ、子どもたちが成長できる「居場所」そのものが消えかけていた。
そこで立ち上がったのが、栃木県那須高原に拠点を置く株式会社パン・アキモトだ。「パンの缶詰」で全国的に知られる同社は、会社の移転予定地として保有していた那須塩原市東小屋の広大な敷地に目を向けた。「使われていない土地があるなら、子どもたちのために開放しよう」——そんな思いのもと、地域の人々の協力を得ながら約3ヶ月かけて整備を進め、2021年7月22日に「きらサパ(きらむぎサッカーパーク)」として正式オープンした。
「子どもたちが安心して運動できる環境を作るのも大人の役目であり使命」と語るパン・アキモト代表の秋元信彦氏の言葉には、施設提供を超えた地域への責任感がにじむ。
天然芝フィールドの誕生と日本サッカー協会認定
開設当初は土のグラウンドとしてスタートしたきらサパだが、その後も着実に進化を続けた。2022年4月から芝の苗付けプロジェクトが始動し、地域のボランティアや子どもたちも参加しながら一本一本丁寧に芝を植えていった。そして同年10月、ついに天然芝フィールドでの初の交流戦「こけら落とし」が開催された。
青々とした天然芝の上でボールを追いかける子どもたちの姿は、まさにきらサパが目指してきたビジョンの実現だった。地方都市では確保が難しい本格的な天然芝グラウンドを、企業と地域住民の手で作り上げたことは特筆に値する。
さらに、施設は日本サッカー協会の認定を取得しており、フィールドの品質と安全性は公的にも認められている。広々としたピッチに那須の澄んだ空気——小学生が伸び伸びとプレーできる環境として、地域内外から注目を集める存在となっている。
交流戦・カップ戦で育む、競技の楽しさ
きらサパの魅力は施設の提供にとどまらない。積極的にイベントや交流戦を主催し、子どもたちに試合経験の場を提供している点も大きな特徴だ。天然芝こけら落とし交流戦(2022年10月)を皮切りに、企業スポンサーを巻き込んだ「トヨタカローラ栃木CUP」も開催されるようになった。2023年9月に行われた第2回大会は、那須塩原のサッカー少年たちにとって特別な舞台となった。
こうした大会は勝ち負けを超えた価値を持つ。チームで連携する喜び、プレッシャーの中での判断力、試合後の振り返り——これらはすべて、子どもたちの人格形成に欠かせない経験だ。練習だけでは得られない本番の緊張感と達成感を、きらサパは地域の子どもたちに与え続けている。
これらの活動は那須地域のローカルメディア「いいトコ撮り那須」のYouTubeチャンネルでも継続的に取り上げられており、芝の苗付け、初の交流戦、カップ戦、そして新年の初蹴りと、きらサパの歩みが映像記録として残されている。
世代を超えた交流の場へ——グラウンドゴルフとの融合
2025年に入り、きらサパはまた新たな一歩を踏み出した。サッカーパークにグラウンドゴルフのコースが加わり、「きらサパグラウンドゴルフ」として高齢者も楽しめる空間へと進化したのだ。2025年2月には「いいトコ撮り那須」でその様子が放映され、地域に広く紹介された。
サッカーに情熱を燃やす小学生と、グラウンドゴルフを楽しむシニア層が同じフィールドの中でそれぞれの時間を過ごす——この光景こそ、きらサパが目指す地域コミュニティの理想形ではないだろうか。子どもから高齢者まで、世代を超えてスポーツを通じてつながれる場所は、那須塩原市でも数少ない存在だ。
2025年1月の初蹴りイベントは「誕生!サッカー版 フィールド・オブ・ドリームス」と題して放映されるなど、きらサパは地域の象徴的なスポットとして定着しつつある。
アクセスと利用案内
きらサパは栃木県那須塩原市東小屋293に位置する。那須塩原駅から車で数分の距離にあり、東北自動車道の那須塩原ICからもアクセスしやすい立地だ。広い敷地を持つ施設のため、車での来場が基本となる。
利用に関する問い合わせは、運営元の株式会社パン・アキモト本社(TEL:0287-65-3351、MAIL:kirasapa@panakimoto.com)まで。公式サイトやSNSでも最新情報を発信しているので、初めて訪問する際は事前に確認することをおすすめする。
チームでの練習利用やイベント参加など、用途に応じた相談にも対応している。那須塩原を拠点にするサッカーチームはもちろん、遠征で那須エリアを訪れるチームにとっても、天然芝の本格フィールドは魅力的な選択肢となるだろう。
きらサパが示す、地域スポーツの可能性
コロナ禍という危機が生んだ逆説的な「贈り物」として誕生したきらサパは、今や那須塩原の地域スポーツを語る上で欠かせない存在だ。企業が持つ遊休地を地域に還元し、住民と一緒に汗をかいて整備し、子どもたちの笑顔のために動き続けた人々の情熱が、この場所には詰まっている。
天然芝を走り回る子どもたち、声援を送る保護者、グラウンドゴルフを楽しむ地域のシニア——きらサパにはそれぞれの「スポーツの楽しさ」が共存している。「更に進化させたい」という言葉通り、これからも新たな挑戦を続けていくきらサパから、目が離せない。
アクセス
JR那須塩原駅から車で約15〜20分(住所:栃木県那須塩原市東小屋293)
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