
円覚寺
GALLERY
青森県西津軽郡深浦町に佇む円覚寺は、大同二年(807年)に征夷大将軍・坂上田村麻呂が建立したと伝わる県内屈指の古刹です。真言宗醍醐派の祈祷専門寺院として千二百年以上にわたり法燈を守り続け、「澗口観音」の名で篤く信仰されてきました。その独特の呼称「ちょんまげの寺」、北前船の海上信仰、そして33年に一度しか姿を現さない秘仏——訪れるたびに新たな発見がある、深浦町を代表する聖地です。
「ちょんまげの寺」の由来
寺の最大の個性は、境内に多数残るチョンマゲの奉納品です。北前船が日本海を行き来していた時代、嵐に遭いながらも命を救われた船乗りたちが、感謝の証として自らのチョンマゲを切って澗口観音に奉納した習慣が今に伝わります。当時の海運に命を賭けた男たちの信仰の深さを、有形の形で体感できる場所は全国でも極めて珍しく、北前船文化を肌で知る格好の史料でもあります。
秘仏・澗口観音と33年に一度の御開帳
本尊の澗口観音(十一面観世音菩薩)はふだん秘仏として厨子の奥に安置され、33年に一度の御開帳でのみ公開されます。次回の御開帳は2051年7月17日〜の予定とされており、現在はその機会を長く待ち続ける参拝者が各地から訪れています。めったに見られない秘仏という存在感が、この寺への崇敬をいっそう深めています。
寺宝館に眠る国指定の文化財
寺宝館では三つの特筆すべき所蔵品を公開しています。一つ目は国重要文化財に指定された「薬師堂内厨子」。二つ目は国重要有形民俗文化財かつ日本遺産(「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間 ~北前船寄港地・船主集落~」)の構成文化財となっている「円覚寺奉納海上信仰資料」で、北前船時代の海上信仰を物語る一級の資料群です。三つ目は全国的にも珍しい毛髪を用いて刺繍した掛け軸で、その精緻な技法と奉納者の信仰心が伝わる貴重な寺宝です。寺宝館ではキャッシュレス決済にも対応しており、なお冬期(12月〜3月)は予約制での拝観となります。
祈祷と霊場巡礼の中心地
円覚寺は観光目的の拝観にとどまらず、現役の祈祷専門寺院として各種祈祷を行っています。車のご祈祷をはじめ、さまざまな願意に応じた祈祷を受け付けており、現代の参拝者の暮らしに寄り添う信仰の場です。また、「津軽三十三ヶ所観音霊場」および「津軽弘法大師霊場」の札所にも組み込まれており、津軽地方の霊場巡拝をたどる巡礼者にとっての重要な拠点でもあります。
写経と御朱印
公式サイトではA4サイズの写経用紙(般若心経)を無料ダウンロードできるサービスを提供しており、自宅で写経に取り組みたい方を支援しています。御朱印については、副住職不在の日には書き置き別紙での授与となる場合があるため、事前に公式サイトや電話で確認してから訪れると安心です。千二百年を超える祈りの積み重ねを感じながら、自分のペースで信仰と文化に触れられる円覚寺は、深浦の海と歴史を語るうえで欠かせない一点です。
アクセス
青森県西津軽郡深浦町深浦浜町
営業時間
24時間営業
料金目安
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