
吾妻渓谷
GALLERY
群馬県吾妻郡の山あいを流れる吾妻川が刻んだ「吾妻峡」は、国の指定名勝として名高い渓谷美の地です。「関東の耶馬渓」と称えられ、上毛かるたにも「耶馬渓しのぐ吾妻峡」と詠み込まれるその景観は、地元の誇りとして長く語り継がれてきました。
火山と川が刻んだ大地の造形
吾妻峡の地形は、太古の火山活動によって噴き出した溶岩を、吾妻川の流れが長い年月をかけて深く削り込んで形成されたものです。雁ガ沢橋から八ツ場大橋まで約3.5キロメートルにわたって続く渓谷の両岸には、カエデ・クヌギ・アカマツといった樹木が連なり、川の侵食によって生まれた懸崖や奇石、滝が随所に顔を出します。自然が気の遠くなるような時間をかけて彫り上げた造形は、どこか大分・耶馬渓の荒々しさと重なるものがあります。
季節ごとに変わる渓谷の表情
吾妻峡の魅力は一年を通じて移ろいます。4月中下旬にはミツバツツジが両岸を淡い紫紅色に染め、渓谷に春の訪れを告げます。5月上旬になると一転、カエデやクヌギの新緑が鮮やかに萌え出し、光を透かした若葉の色が川面に映えます。そして11月上旬、赤・橙・黄のグラデーションを描く紅葉は圧巻で、多くの訪問者が峡谷に見入ります。春と秋、それぞれに異なる色彩で迎えてくれるのがこの渓谷の大きな魅力です。
二つのハイキングコースで渓谷を歩く
散策路は難易度や時間に応じて選べます。渓谷パーキングを起点に見晴台「小蓬莱(しょうほうらい)」を目指すコースは片道60分。つづら折りの細い山道を進むにつれて、そそり立つ断崖や奇岩、滝などの景観が次々と現れ、歩くほどに渓谷の奥深さが伝わってきます。一方、川原湯温泉側から入る探勝遊歩道は約1.8キロメートル・片道40分で、起伏が緩やかな家族向きのコースです。なお遊歩道はいずれも冬期閉鎖となるため、ハイキングを目的に訪れる際は春から秋の季節を選ぶのがおすすめです。
廃線跡を走るレールバイク「アガッタン」
吾妻峡周辺には、渓谷美を別の角度から体感できるユニークな乗り物があります。「吾妻峡レールバイクA-Gattan!(アガッタン)」は、八ッ場ダム建設に伴い付け替えられたJR吾妻線の旧線路を利用した自転車型トロッコです。吾妻峡から八ッ場ダムへと向かう片道約2.4キロメートルの区間を、国指定名勝の渓谷美を眼下に眺めながらペダルを漕いで進みます。鉄道ファンはもちろん、子連れのファミリーにも印象に残る体験として人気を集めています。
散策後は「天狗の湯」で旅の疲れを癒す
渓谷の玄関口にあたる道の駅「あがつま峡」は、ハイキング後の立ち寄りスポットとして重宝します。施設内の日帰り温泉「天狗の湯」は源泉かけ流しで、内湯と露天風呂を備えています。施設の外には無料で利用できる足湯もあり、重い荷物を下ろして一息つくだけでも構いません。渓谷美とアクティビティ、そして温泉を組み合わせた半日・一日コースとして、吾妻峡はドライブ旅の目的地としても十分な充実感を提供してくれます。
アクセス
JR吾妻線岩島駅から乗合バス約5分+徒歩約15分 関越自動車道渋川伊香保ICから約55分
営業時間
遊歩道は冬期閉鎖(春~秋が開放時期)
料金目安
無料
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