四国・香川の霊峰こんぴらさん——正式名称「金刀比羅宮」——を訪れる旅人を迎え入れるのは、785段の石段へと続く参道に立ち並ぶ老舗のお土産店たちです。石畳が続く参道沿いのショッピングエリアは、参拝の楽しみをひと层豊かにしてくれる、讃岐ならではの文化と味が凝縮された空間です。
参道のお土産通りとは——こんぴらさんへの入り口
金刀比羅宮の参道は、琴平町の中心部から大門(365段目)にかけての石段下エリアと、その周辺の門前町に広がっています。JR琴平駅または琴電琴平駅から徒歩10〜15分ほどで参道入口に到達すると、そこからはお土産店・飲食店・茶屋が軒を連ねる商店街が続きます。
江戸時代から「一生に一度はこんぴらさん」と言われるほどの人気を誇った金刀比羅宮への参拝は、庶民の信仰と旅行文化を融合させたものでした。街道を行き交う旅人が土産物を求め、地元の商人たちがそれに応えるかたちで自然と発展してきたのが、この参道のお土産通りです。現在も昔ながらの木造建築の店舗が残り、石段を登る前後に立ち寄る参拝者で賑わっています。
灸まん——こんぴらさんを代表する銘菓
参道土産の王者といえば、「灸まん(きゅうまん)」です。1934年(昭和9年)に誕生したこの焼き菓子は、お灸の道具「もぐさ」の形を模した愛嬌のある見た目が特徴。白あんを包んだ生地をきつね色に焼き上げた素朴な味わいは、甘すぎず食べ飽きない上品さがあります。
老舗の「灸まん本舗石段や」をはじめ、複数の店舗が独自のレシピで灸まんを販売しており、食べ比べをするのも旅の楽しみのひとつ。個包装で日持ちがするため、職場や親族へのばらまき土産としても重宝されます。石段を登り終えた後に茶屋でいただく灸まんと温かいお茶の組み合わせは、参拝の達成感を一層引き立ててくれます。
讃岐の甘み——和三盆と干菓子の世界
香川県は、日本屈指の高級砂糖「和三盆糖」の産地として知られています。徳島・香川の両県にまたがる讃岐・阿波地方で江戸時代から製造されてきた和三盆は、口の中でほろりと溶ける繊細な甘みが特徴で、茶道の干菓子として珍重されてきました。
参道のお土産通りでは、この和三盆を使った干菓子が多数並んでいます。金刀比羅宮にちなんだ船や灯台、波をかたどった繊細な型抜き菓子は、見た目も美しく贈り物に最適です。また、和三盆を使ったクッキーやチョコレートなど、現代風にアレンジされた菓子も登場しており、若い世代にも人気を集めています。試食を提供している店舗も多いので、味を確かめながら気に入った一品を探してみましょう。
讃岐うどんのお土産——本場の味を持ち帰る
「うどん県」の愛称で親しまれる香川県らしく、参道にはさまざまな讃岐うどんのお土産商品が揃っています。乾麺タイプのうどんセットは軽くて持ち運びやすく、だしの素やつゆがセットになったものも多く、自宅で本格的な讃岐うどんを再現できると好評です。
地元の製麺所が監修した半生うどんや、小豆島産のオリーブオイルを使ったアレンジ商品なども並んでおり、食にこだわる方へのお土産として喜ばれます。参道の一角にはうどん屋も点在しており、石段を登る前の腹ごしらえや、下山後の食事として本場の味を楽しむこともできます。コシの強い麺とすっきりとしたイリコだしのつゆは、こんぴら参りの旅の締めくくりにふさわしい一杯です。
金刀比羅宮ゆかりの縁起物と御守り
参道のお土産通りでは、金刀比羅宮にちなんだ縁起物や御守りも数多く販売されています。海の神様として信仰を集める金刀比羅宮らしく、航海安全・交通安全のお守りが充実しているほか、縁結びや商売繁盛のお守りも人気です。
木製の「幸福の黄色いお守り」は、こんぴらさんを象徴する縁起物として有名で、参道の土産物店や境内の授与所で手に入れることができます。また、金刀比羅宮の神紋である「金」の文字が入った手拭いや扇子、漆器などの工芸品も販売されており、長く手元に置いておける記念品として好まれています。参拝を終えた後に改めて参道を歩きながら、じっくりとお気に入りの品を探す時間は、こんぴら詣でのひとつのハイライトといえるでしょう。
季節ごとの参道の楽しみ方
参道のお土産通りは、季節によって異なる顔を見せます。春(3〜4月)は琴平の桜が満開を迎え、石段や参道が淡いピンク色に彩られます。参拝客も増えるこの時期は、桜をモチーフにした期間限定の菓子や土産物が並び、いつも以上に華やかな雰囲気になります。
夏(7月)には「こんぴら歌舞伎」が境内の旧金毘羅大芝居(金丸座)で上演され、伝統芸能の雰囲気に包まれた参道は特別な賑わいを見せます。秋(10〜11月)は紅葉が境内周辺を彩り、澄んだ空気の中での参拝と買い物が楽しめます。冬は比較的静かですが、正月の初詣期間には多くの参拝者が訪れ、門前町全体が活気に満ちます。
いずれの季節も、参道の茶屋でひと休みしながらのんびりショッピングを楽しむのがおすすめです。アイスクリームや甘酒、温かいぜんざいなど、季節に合わせた軽食・甘味を提供する茶屋が点在しており、長い石段の旅を優しく支えてくれます。こんぴらさんへの参拝と合わせて、ぜひ参道のお土産通りでの時間も旅程に組み込んでみてください。
액세스
JR琴平駅から徒歩15分
영업시간
8:00〜17:00
예산
500〜3,000円