渋谷駅のシンボルとして、国内外を問わず多くの人々に親しまれている忠犬ハチ公像。その小さなブロンズ像には、飼い主への深い愛情と変わらぬ忠誠心が刻まれており、訪れる人の心を静かに揺さぶります。
ハチ公の生涯と渋谷との絆
忠犬ハチ公の物語は、大正時代にさかのぼります。秋田犬のハチは、東京帝国大学(現・東京大学)の農学部教授だった上野英三郎博士に飼われていました。毎朝、博士が渋谷駅から出勤する際には一緒に駅まで歩き、夕方になると再び駅へ向かって帰りを待つ——そんな日課を繰り返していたといわれています。
しかし大正14年(1925年)、博士は大学で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。それでもハチは博士の死を知ることなく、その後およそ10年間にわたり、雨の日も風の日も渋谷駅前に通い続けたと伝えられています。その姿は当時の新聞でも取り上げられ、やがて「忠犬ハチ公」として全国に知れ渡るようになりました。ハチが亡くなったのは昭和10年(1935年)のことで、享年11歳でした。
銅像誕生の歴史
ハチの話が広く知られるようになると、その忠義の心を後世に伝えようという動きが生まれます。昭和9年(1934年)、ハチが存命中にもかかわらず、渋谷駅前に最初の銅像が建立されました。当時ハチ本人も除幕式に参加したという逸話が残っており、生きた犬の銅像が作られるという異例の出来事として話題を呼びました。
しかしこの最初の銅像は、第二次世界大戦中の金属供出によって失われてしまいます。戦後、ハチ公の記憶を守り続けてきた人々の手により、昭和23年(1948年)に現在の銅像が再建されました。制作したのは、最初の銅像を手がけた安藤照の息子・安藤士(めぐむ)。父の遺志を継ぐような形での再建に、多くの人が感動したといいます。
渋谷駅ハチ公口のランドマークとして
現在の忠犬ハチ公像は、渋谷駅西側の「ハチ公口」と呼ばれる出口を出てすぐの広場に設置されています。座った姿勢でまっすぐ前を向くハチの像は、高さこそ決して大きくはありませんが、存在感は抜群です。
ハチ公口は待ち合わせの定番スポットとして長年にわたって渋谷の顔となっており、「ハチ公前で待ち合わせ」という言葉は東京の日常会話にすっかり定着しています。近年は再開発によって渋谷駅周辺の景観が大きく変わりましたが、ハチ公像の周囲だけは変わらない温かみを保ち続けています。日々何万人もの人が行き交うなか、記念撮影をする観光客の姿が絶えません。
世界中から愛される観光スポット
Googleマップのレビュー数は2万4千件を超え、平均評価は4.4という高い数値を誇ります。これは日本人だけでなく、海外からの旅行者にとっても忠犬ハチ公が特別な存在であることを示しています。実際、英語・中国語・韓国語など様々な言語でのレビューが寄せられており、訪日観光の「外せないスポット」として世界中にその名が知られています。
アメリカやヨーロッパでもハチ公の物語は映画や書籍を通じて広まっており、「Hachiko」の名は国際的に通用するほどの知名度を持ちます。渋谷を訪れた海外旅行者が最初に向かう場所のひとつとして、ハチ公像は今も変わらず人々を迎え続けています。
周辺の見どころと合わせて楽しむ
忠犬ハチ公像のある渋谷駅周辺には、他にも魅力的なスポットが点在しています。渋谷駅南口には「モヤイ像」があり、こちらは東京都新島村から贈られた抗火石でできた像です。「モヤイ」とは新島の方言で「力を合わせる」という意味を持ちます。
また、渋谷マークシティの連絡通路には、岡本太郎が制作した巨大壁画「明日の神話」が設置されています。縦5.5メートル、横30メートルという圧倒的なスケールのこの作品は、人間の尊厳と再生をテーマにしており、渋谷が誇るもうひとつのアートスポットとして知られています。さらに足を延ばせば、都立代々木公園のような緑豊かな空間でひと息つくこともできます。渋谷駅を起点に、これらのスポットをめぐるさんぽコースは、地元の人にも観光客にもおすすめです。
アクセスと訪問のヒント
忠犬ハチ公像へのアクセスは非常に便利です。JR各線・東京メトロ・東急各線・京王井の頭線の「渋谷駅」ハチ公口を出てすぐの場所にあるため、迷う心配はほとんどありません。駅の改札を出たらハチ公口の案内表示に従って進むだけで、像の前に立つことができます。
訪問に最適な時間帯は、人込みを避けたい場合は平日の早朝や夜間がおすすめです。写真撮影を目的としているなら、光の状態が良い午前中の時間帯を狙うと美しいショットが撮れます。休日の昼間は国内外の観光客で賑わい、活気ある渋谷の雰囲気を楽しめます。
なお、ハチ公像に関する問い合わせ先は渋谷区産業観光課(電話:03-3463-2376)となっています。観光に関する情報収集や問い合わせの際には活用してみてください。渋谷を訪れた際には、ぜひこの小さなブロンズ像の前に立ち止まり、百年近く語り継がれてきた忠義の物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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