箱根湯本駅から徒歩約5分、早川のほとりに佇む「はつ花そば 本店」は、昭和9年(1934年)の創業以来、自然薯を使ったそばで箱根を訪れる人々に愛され続けてきた老舗名店だ。旅の疲れを癒す一杯を求めて、今日も多くの旅人がこの暖簾をくぐる。
創業90年以上の歴史が育んだ一杯
はつ花そばの創業にまつわる物語は、大正14年(1925年)にさかのぼる。小宮義一、当時24歳。長年奉公していた洋品店が廃業してしまい、故郷の箱根へと戻ることになった小宮は、これからの生業をどうするか頭を悩ませていた。そんなある日、小田原へ下りた際に、大繁盛している一軒の蕎麦屋と出会う。「これなら俺にも作れるんじゃあないか」——その直感が、はつ花そばの原点となった。
当時の箱根には蕎麦屋が存在しなかったという。義一は一念発起して開業を決意し、昭和9年(1934年)に「はつ花そば」を創業した。店名の「はつ花」は、箱根を舞台にした義太夫節「箱根霊験躄仇討」のヒロインの名に由来するとされており、箱根という土地との深いゆかりを感じさせる。以来90年以上にわたり、蕎麦一筋でこの地に根ざし、箱根を訪れる旅人たちの胃袋と心を満たし続けてきた。温泉場として栄えてきた箱根湯本の歴史とともに歩んだ老舗として、地元の人々からも観光客からも厚い信頼を寄せられている。
看板メニュー「自然薯そば」とその魅力
はつ花そばの最大の特徴は、「自然薯(じねんじょ)」を使ったそばにある。自然薯とは、山に自然に自生する野生の山芋のことで、スーパーなどで一般的に流通している長芋・大和芋・イチョウ芋などとはまったく異なる品種だ。地中深くまで細く長く根を張る性質があり、かつては1本1本手作業で傷つけないよう丁寧に掘り出すほど、大変貴重な食材とされていた。
自然薯の最大の特徴は、その強烈な粘り気だ。一般の山芋と比べてもはるかに濃厚なとろみがあり、すりおろすとずっしりとした重みを感じるほど。さらに消化吸収に優れているため胃にとてもやさしく、健康的な食材としても高く評価されている。カルシウムや鉄分などのミネラル、各種ビタミンも豊富に含まれており、疲労回復や成人病・糖尿病の予防、ムチンによる肌の保水効果も期待できると言われる優良健康食材でもある。
はつ花そばでは、この自然薯をすりおろして蕎麦に練り込んだり、「とろろ」としてそばの上にたっぷりとかけて提供したりする。自然薯ならではの濃厚な粘りと風味がそばと絡み合い、他では味わえない独特の一杯に仕上がっている。箱根の澄んだ空気の中で味わう自然薯そばは、温泉旅行の疲れを優しく癒してくれる。
二つの顔を持つ店舗の雰囲気
はつ花そばには「本店」と「新館」の2つの店舗があり、いずれも箱根湯本駅から早川沿いを歩いた場所に位置する。メニューはどちらも同じ内容だが、雰囲気はそれぞれ異なる表情を持っている。
本店は湯本橋のたもとに位置し、入母屋(いりもや)造りの屋根が目を引く格調ある和の佇まいが特徴だ。江戸時代を彷彿とさせるような風情ある外観は、はつ花そばのシンボルとも言える存在。観光地・箱根らしい趣の中で食事を楽しみたい方にとって、本店は格別の体験をもたらしてくれる。
一方、川沿いに少し入った場所にある新館は、静かで落ち着いた雰囲気が魅力。早川のせせらぎを聞きながら、よりゆったりとした時間の中でそばをいただくことができる。観光の喧騒から少し離れて、静かに食事を楽しみたい方にはこちらもおすすめだ。どちらの店舗も、箱根という非日常の空間の中で、温かみのあるもてなしを受けながら一杯を堪能できる。
価格帯と幅広い利用シーン
はつ花そばはランチ・夕食の両方に対応しており、幅広い時間帯に利用できる。自然薯を使ったそばはやや高めの価格帯となるが、箱根という観光地の立地や食材の希少性・品質を考えれば納得感のある設定だ。温泉宿に宿泊する前後の食事はもちろん、日帰り観光の昼食としても最適で、特に温泉で疲れた体に自然薯の栄養が染み渡る夕食利用が旅行者に人気を集めている。
体に優しい自然薯を使ったそばは、健康志向の方や高齢者、消化に不安がある方にも喜ばれやすいメニューでもある。家族旅行や夫婦旅行など幅広い世代が揃う場でも安心して利用できる点が、長年にわたって多くのファンに支持されてきた理由のひとつだろう。Googleの口コミでは3.9(2607件)という高評価を獲得しており、初めて箱根を訪れる方にも自信を持っておすすめできる名店だ。
アクセスと周辺観光情報
はつ花そば本店へのアクセスは、箱根登山鉄道「箱根湯本駅」から徒歩約5分と非常に便利。駅を出て早川方向へ向かうと、湯本橋のたもとに入母屋造りの建物が見えてくる。住所は神奈川県足柄下郡箱根町湯本635-635、電話番号は0460-85-8287。公式ホームページ(http://www.hatsuhana.co.jp/)では詳細情報や最新のお知らせを確認できる。
周辺には箱根湯本の魅力がぎゅっと詰まっている。温泉旅館や日帰り温泉施設が立ち並ぶ湯本温泉街は、食後の散策にも最適だ。早川沿いの遊歩道を歩けば、四季折々の風景を楽しみながらリフレッシュできる。また、箱根湯本駅から箱根登山鉄道に乗り換えれば、強羅や大涌谷など箱根観光の主要スポットへのアクセスも良好。箱根神社やポーラ美術館といった芸術・文化スポットへの拠点としても湯本は便利な立地にある。はつ花そばでの食事を起点に、箱根の多彩な魅力を一日かけてじっくり楽しむ旅程は、多くの旅行者に支持されてきた定番プランだ。温泉と自然と歴史が織り重なる箱根の旅に、創業90年以上の老舗の味をぜひ加えてみてほしい。
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箱根登山鉄道箱根湯本駅から徒歩約5分
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