一棟貸しの贅沢|プライベート空間で過ごす特別な旅のすすめ
一棟貸しとは|ホテルにはない自由と贅沢
一棟貸し(いっとうがし)とは、住宅や別荘、古民家などの建物を一棟まるごと借りて宿泊するスタイルです。英語では「Vacation Rental」「Whole House Rental」と呼ばれ、欧米では古くから人気のある宿泊形態ですが、日本では2018年の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行以降、急速に普及しました。
一棟貸しの最大の魅力は「プライベート空間」です。ホテルや旅館と異なり、他の宿泊客と廊下やロビーで顔を合わせることはありません。リビング、キッチン、お風呂、庭——すべてが自分たちだけの空間です。子連れ家族は子どもの泣き声を気にせず過ごせ、友人グループは深夜まで語り合え、カップルは二人だけの時間を満喫できます。
もうひとつの魅力が「暮らすように旅する」体験です。キッチンで地元の食材を使って料理をしたり、庭でバーベキューをしたり、縁側でのんびりコーヒーを飲んだり。ホテルの画一的なサービスでは味わえない、その土地の「日常」を体験できるのが一棟貸しの醍醐味です。
市場規模も急成長しています。楽天LIFULL STAYの発表によると、一棟貸しの予約数は2019年比で3倍以上に増加。コロナ禍でプライベート空間への需要が高まったことに加え、リノベーション古民家やデザイナーズヴィラなど、魅力的な物件が全国各地に続々と誕生していることが成長の原動力です。
物件タイプ別の魅力|古民家からヴィラまで
一棟貸しの物件は、大きく5つのタイプに分類できます。それぞれの魅力を知って、目的に合った宿を選びましょう。
「古民家」タイプは日本の一棟貸しを象徴する存在です。築100年を超える農家や商家をリノベーションした物件で、太い梁、土間、囲炉裏、蔵など、日本の伝統的な建築美を体感できます。岡山県の「暮らしの宿」、新潟県の「里山十帖」の系列施設、京都の町家一棟貸しなどが有名です。料金は1泊20,000〜60,000円程度(1棟あたり)が中心帯です。
「デザイナーズヴィラ」は建築家やデザイナーが手がけた現代的な一棟貸し物件です。大きな窓から絶景を望むリビング、インフィニティプール、サウナなど、ラグジュアリーな設備を備えた物件が増えています。沖縄、箱根、熱海、淡路島などのリゾート地に多く、1泊50,000〜200,000円以上のハイクラスな物件もあります。記念日や特別な旅行にふさわしい非日常の空間です。
「別荘」タイプは軽井沢、那須、蓼科などのリゾート地に多く、1泊15,000〜40,000円程度と比較的リーズナブル。「町家」タイプは京都を中心に伝統的な町屋建築を活用し、格子窓や坪庭など風情を味わえます。「コテージ・ログハウス」タイプは自然の中でBBQも楽しめ、1泊10,000〜30,000円程度とファミリー向きです。
予約のコツと料金の仕組み
一棟貸しの予約には、ホテルの予約とは異なるポイントがあります。まず料金体系ですが、一棟貸しは「1棟あたり」の料金設定が主流です。つまり、2名で泊まっても6名で泊まっても基本料金は同じ(追加人数で加算されるケースもあり)。グループ旅行では1人あたりのコストがホテルより大幅に安くなることが多いのです。
例えば、1泊40,000円の古民家に8名で宿泊すれば、1人あたり5,000円。同じ地域のホテルでシングルルーム8部屋を予約するよりもはるかに経済的で、しかもキッチン、リビング、庭つきのプライベート空間を楽しめます。
予約サイトは複数をチェックすることをおすすめします。Airbnb、楽天LIFULL STAY、一休.comバケーションレンタル、STAY JAPANなどの大手プラットフォームに加え、物件独自のウェブサイトを持っているケースも多いです。プラットフォーム経由より直接予約の方が手数料分安くなることがあるため、気になる物件は公式サイトも確認しましょう。
予約時の確認事項として、チェックイン・チェックアウトの時間と方法(対面かセルフか)、清掃費の有無(料金に含まれていない場合がある)、キャンセルポリシー(ホテルより厳しいケースが多い)、ごみの処理方法、駐車場の有無と台数制限、近隣への配慮事項を必ずチェックしてください。
繁忙期(GW、お盆、年末年始、紅葉シーズン)は人気物件が3〜6ヶ月前に埋まることもあるため、早めの予約が肝心です。逆に平日やオフシーズンは割引プランが出ることも多く、予約サイトのクーポンや早割を活用すれば、さらにお得に利用できます。
グループ旅行での一棟貸し活用術
一棟貸しが真価を発揮するのが、グループ旅行です。家族3世代の集まり、友人同士の記念旅行、サークルの合宿など、大人数で同じ屋根の下に泊まれる体験は、ホテルでは得られない一体感を生みます。
食事の楽しみ方が広がるのも一棟貸しの大きなメリットです。キッチンを使って持ち寄りパーティーをしたり、地元のケータリングサービスを利用したり、BBQグリルで焼肉パーティーをしたり。最近は地元の料理人が出張してくれる「出張シェフ」サービスも人気で、1人あたり5,000〜10,000円程度で本格的なコース料理を楽しめます。
大人数での予約時は、幹事が事前にハウスルール(共有スペースの使い方、就寝時間、掃除の分担など)を決めておくとスムーズです。特にゴミの分別と処理は自治体のルールに従う必要があるため、チェックイン時に確認しておきましょう。
近隣住民への騒音配慮も非常に重要です。一棟貸し物件の多くは住宅地や集落の中にあります。22時以降は屋外での会話や音楽を控え、室内でも窓を閉めて過ごすのがマナーです。この点を怠ると、オーナーに苦情が入り、その物件が営業停止に追い込まれるケースもあります。
一棟貸しを選ぶ際の注意点と失敗しないコツ
一棟貸しは自由度が高い分、ホテルのようなフルサービスは期待できません。チェックイン後は基本的にセルフサービスで、タオルの追加やアメニティの補充を頼めないケースがほとんどです。必要なものは事前にリストアップして持参しましょう。調味料、ラップ、洗剤、スポンジなどの消耗品は備え付けの量が限られていることがあります。
写真と実物のギャップにも注意が必要です。広角レンズで撮影された写真は実際より広く見えるため、口コミやレビューを丁寧に読み、「清潔さ」「設備の状態」「オーナーの対応」に関する評価を複数サイトで比較しましょう。
アクセスの確認も欠かせません。魅力的な立地にある一棟貸しは、公共交通機関では行きにくい場所にあることが多いです。車での所要時間、最寄りのスーパーやコンビニまでの距離を確認しておきましょう。山間部の物件では、冬季に道路が凍結してスタッドレスタイヤが必要になることもあります。
一棟貸しの旅は、宿泊を「滞在」に変え、旅行を「暮らし」に近づける新しい体験です。家族や友人と過ごす時間をより豊かにしてくれるこのスタイル、ぜひ一度試してみてください。全国の一棟貸し物件の情報は、SOROU.JPの宿泊カテゴリーからもお探しいただけます。
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