メインコンテンツへスキップ
SOROU.JP日本全国情報ポータルサイト
秋田のサイクリングコースガイド——田沢湖一周・雄物川河川敷・男鹿半島を距離で選ぶ
観光・体験
7分で読める

秋田のサイクリングコースガイド——田沢湖一周・雄物川河川敷・男鹿半島を距離で選ぶ

秋田は「距離を稼ぐ」自転車向きの土地

秋田は、自転車で長い距離を走るのに向いた土地です。八郎潟の干拓地や雄物川の沖積平野には信号の少ない平坦路が広がり、整備された大規模自転車道(県が管理する長距離の自転車専用・歩行者道)も複数走っています。一方で田沢湖の周回路や男鹿半島の海岸線のように、湖や海をまるごと一周・縦走できるコースもそろい、「片道20km」「一周20km」といった距離をはっきり設計できるのが秋田サイクリングの魅力です。

ただし雪国ですから、走れる時期は限られます。多くのレンタサイクルや観光案内所は、積雪・路面凍結のため12月から3月ごろまで貸し出しを休止しており、安心して走れるのはおおむね4月中旬から11月まで。電動アシスト車を借りれば、向かい風の続く平地や峠のヒルクライムもぐっと楽になります。以下では、まずランニングや散歩では味わえない「自転車だからこそ」のロングコースから順に紹介します。

田沢湖を一周する——水深日本一の湖を約20kmで(仙北市)

秋田のサイクリングでまず挙げたいのが、仙北市にある田沢湖の一周です。水深日本一として知られるこの円形の湖は、湖畔をぐるりと周回道路が囲んでおり、一周は約20km、ゆっくり走って2〜3時間が目安。アップダウンが少なく走りやすいので、初めてのロングライドや、湖を一周してみたいという旅行者の入門コースに向いています。

所在は秋田市から離れた仙北市で、JR田沢湖駅から湖畔まではバスで15分ほど。湖畔にはレンタサイクルがあり、変速付きやクロスバイク、電動アシストなど車種も選べます(営業はおおむね4月中旬から10月末まで)。たつこ像の立つ湖岸や、湖中に鳥居を構える御座石神社など、止まって眺めたくなるポイントが等間隔で現れるのも一周コースならでは。自分の脚で湖を一巡りしたという達成感が、平坦な周回路でも確かに残ります。

雄物川サイクリングロード——河口からの距離表示でロング走(秋田市)

秋田市内で距離を踏みたいときの定番が、雄物川の河川敷に整備された自転車道です。秋田大橋を起点に往復約32kmが取れ、片道は20km近くまで延ばせます。高低差はわずか30mほどとほぼ完全な平坦路で、ペースを一定に保つロング走やインターバルの練習にうってつけ。0.2kmごとに「日本海から○km」という河口からの距離標識が立っているので、残り何キロかを常に把握しながら走れるのが、河川敷専用道ならではの強みです。

日本海へ注ぐ手前の平野を川に沿って走るため、視界がよく信号もありません。秋から初冬には白鳥が飛来し、夕方に折り返す復路では日本海に沈む夕日を正面に見ながら帰ってこられます。同じ川辺でも、距離標識を頼りに片道20kmを刻んでいく走り方は、自転車だからこそ成立する楽しみ方です。

森林鉄道の廃線跡をたどる雄和仁別自転車道(秋田市)

もう一本、秋田市内には毛色の違う自転車道があります。県道401号・雄和仁別自転車道線は、雄和黒瀬を起点に仁別の森林博物館付近までを結ぶ指定延長35kmあまりの長大ルート。手形地区より山側は、1968年に廃止された仁別森林鉄道の廃線跡を再整備したもので、旭川の峡谷沿いに緑のなかを分け入っていきます。

ただし全線が快適に走れるわけではありません。気持ちよく流せるのは市街寄りの平坦区間が中心で、仁別方面の山側は路面が荒れていたり、通行できない箇所があったりします。廃線跡をたどる雰囲気を味わうなら、走れる区間だけを無理なく選ぶのが現実的です。出発前に通行状況を確認し、市街側から少しずつ標高を上げていくつもりで計画すると安心です。

大潟村 桜・菜の花ロード——干拓地のまっすぐな道(南秋田郡大潟村)

春に走るなら、南秋田郡大潟村の桜・菜の花ロードが見逃せません。八郎潟を干拓して生まれたこの村は、見渡すかぎり平坦で直線的な道が続く、日本でも珍しい地形。村を貫く県道沿いには、約11kmにわたって菜の花が咲き、約4,000本ともいわれる桜並木と、防風林の黒松の緑が三色のコントラストをつくります。見ごろは例年4月中旬から5月上旬ごろ。サンルーラル大潟の前には菜の花畑が広がります。

干拓地ゆえに信号が少なく、ひたすらまっすぐ進めるのは自転車向きですが、その分さえぎるものがなく風が抜けやすいのが特徴。向かい風の区間は淡々とペダルを回す覚悟がいります。所在は秋田市の北西、男鹿半島の付け根にあたるエリアで、桜のトンネルを11kmぶち抜く感覚は、起伏のある他のコースとはまったく違う爽快さがあります。

男鹿半島ロングライド——海岸線と寒風山の起伏(男鹿市)

体力に自信があり、走りごたえを求めるなら男鹿市の男鹿半島へ。日本海に突き出した半島の西海岸線、最北端の入道崎、芝生に覆われた寒風山の回転展望台、半島中央を貫くなまはげラインなどを結ぶと、本格的なロングライドになります。観光協会などが企画する1泊2日のコース例では、走行距離が約80km、獲得標高が約1,100mに達します。

ここまでのフラットな河川敷や湖の周回路とは対照的に、海岸線のアップダウンと寒風山のヒルクライムが脚に効きます。電動アシスト車(e-bike)があると登りの負担を大きく減らせるので、男鹿駅周辺のレンタサイクルで車種を選ぶとよいでしょう。男鹿半島・大潟ジオパークに数えられる地形のダイナミックさを、汗をかきながら全身で味わえるのが、このコース最大の見どころです。

借りて走る前のメモ

レンタサイクルの料金は施設や車種でまちまちですが、シティサイクルで1時間あたり数百円から、電動アシストやスポーツ車は高め、1日1,000円前後という例もあります。いずれも目安なので、台数・予約の要否とあわせて事前に確認してください。

繰り返しになりますが、走れる季節は4月中旬から11月ごろまで。12月から3月は積雪と路面凍結で多くの貸し出しが止まり、冬の自転車利用は基本的にできません。峠や山間部に入るコースでは、クマの出没・落石・通行止めの情報を必ずチェックし、ヘルメットと補給、日没時刻の管理を忘れずに。湖畔や海岸は風が強まりやすいので、天候を見て無理のない距離設計を心がければ、秋田ならではのロングライドを安全に楽しめます。

シェアする

Written by

伊藤 健一

歴史ライター

この記事のエリアで観光・体験を探す

日本刀×日本文化体験

観光スポットと刀剣文化をつなぐ多言語展開。